だれに対しても平等に接する
仕事をするうえでは、嫌いな人や苦手なタイプとも付き合っていかなければいけない。
「私は人間関係で苦労してきたから。どうしても無理な人は無理でいいとも思う。だからこそ、自分が社長になったというのもありますが……。ただ、一般的にアドバイスをするならば、仕事においては、好き嫌いとか、得意・不得意を会社に持ち込まないほうがいいのかなって思います。だから、
全員と平等に接するよう意識していますね。仕事仲間とは、ご飯を食べに行こうとか、飲みに行こうとかもないですね。今は立場上、私が特定のだれかとそうすると、ひいきしていることになってしまうから。うちの店には、私が独立する前から一緒にキャストをやっていた女のコが5人いて。もちろん、みんなのことが好きなんですけど、だからといって、好きな素振りはしない。いつも平等に接していると、いざ嫌いな人と会ってもバレないですね(笑)。
また、この業界はどのタイミングで自分より人気のキャストが入ってくるかわからないんです。会社でもいつ上司が変わるかわからないと思います。今までどんなに楽しかったとしても、いきなり環境が変わって地に落とされることもある。せっかく評価が良かったのに、上司と合わなくなって終わるのはもったいない。だから、そもそも好き嫌いの感情は社外で、って思いますが」
桜井さんの“だれに対しても平等”という考えは、普段の持ち物からも見てとれる。
「財布を2個もっています。大きい方がメインの財布で、小さい方は小銭入れ。基本、大きい財布には1万円札しか入れない。5000円札など、それ以下はすべて小銭として小さい方に入れるんです」
財布を使い分けるようになったことには、意外な理由がある。
「だれに対しても気を遣えるように、という考えから財布を2つ使い分けるようになりました。私はタクシーに乗ることが多いのですが、そのときに1万円札を出すとおつりが面倒で嫌がられるんですね。コンビニでもそう。1000円札とか小銭が会計の際にスムーズで喜ばれるから。
生活するなかで、些細なことでも気を遣えるようになったら、お店で何があっても大丈夫だなって。
ルイ・ヴィトン(左)とエルメス(右)の財布を使い分ける
たとえば、お客さんの中にも1回の来店で50万円使う人もいれば、2万円ぐらいという人もいる。でも、優越をつけたくはないんですよね。なぜなら、長い目で見て売り上げにも波が出てくるから。もしもタクシーの運転手やコンビニの店員など、まったく知らない人にも、2度と会うこともない人にも気を遣えるようになったら、いざ自分が接客するときにお金が発生していたら、100%気遣いができるなって」
SNSは需要と供給「今はネガティブな方が共感が得られる」
現在は、サラリーマンでも仕事としてSNSを使う場面が多い。また、個人としての発信力も高めることが求められている。Twitterのフォロワー数は約6万、Instagramのフォロワー数は約24万の桜井さん。なにか意識していることはあるのだろうか。
「私は芸能人ではなく、あくまで一般人。芸能人だったら『おはよう』とかで何万もいいね!が付くと思うんですが、一般人の私が、ネットでどのようなことを発信したらみんなに刺さるのか。今の体感では、
嫌なことやネガティブな内容の方が共感を得られるなって。それを書きだめしてますね。じつは、
自己啓発だったり、ポジティブな内容ってあんまりシェアされないんですよね。たんなる自慢かよって思われる。裏を返せば、人がネットで検索したり調べたりするのって、ネガティブになっているときなんです。たとえば、失恋してツラいときや他人には言えないコンプレックスを抱えているときなど。需要と供給を考え、なにがウケるのか常に模索してます。整形を公表したこともそう。ぶっちゃけ、整形の次は何をいこうかって考えてますね(笑)」
女性であれば、容姿に悩む人も多いだろうが、桜井さんは整形さえも大胆に公表し、手術の過程や後遺症など、リアルな実情をYouTubeにもアップしている。
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):
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