厳しいマツコさんを唸らせた差し入れとは!?
――最初に聞きましたが、差し入れにもかなりこだわりがあって、なんでもマツコ・デラックスさんへの差し入れで、マツコさんの大好きな「行列のできる豆大福」を買うために東奔西走したというエピソードが書いてありましたが、なかなかできることじゃないと思います。
栗原:テレビって、何かを取り上げる時に恐ろしいほど情報を集めるんですよ。1本番組をつくると、1冊の本ができるくらい。マツコさんに差し入れをするために、僕は番組づくりと同じように、物凄くたくさんの情報を集めました。その情報から、たぶんマツコさんが喜ぶであろう差し入れをチョイスしたんです。
――ただその人の好きなものを差し入れするのではなく、それ以上の「感動」が生まれますね。
すごい準備(アスコム)
栗原:実は、『天才バカボン2』のときには「焼きそばパン」を差し入れしたんです。僕は脚本・監督・プロデューサーをやっていて、すごく忙しかったので、そのときはスタッフに調べてもらいました。「マツコさん、焼きそばパンが好きらしいですよ」「ネットで調べたら、焼きそばパンがたくさん出てきました」と言われたので、僕はいろいろな焼きそばパンを買って、楽屋に置いておいたんです。それで、喜んでいると思って楽屋を訪ねたんです。「もう何個か食べたかな」と思いながら…そしたら「なんで、こんなにパンがあるのよ!しかも、こんなに焼きそばパンばっかり!嫌がらせかっ!」って、怒られたんですよ。
――え!大好物なのに、怒られたんですか!?
栗原:「え、焼きそばパン…好きですよね?」と言ったら、「好きじゃないわよ!」って言われまして。「マツコさんは、焼きそばパンが好きって、ネットに書いてあったんですけど…」と言ったら、「私はテレビで、焼きそばパンに襲われる悪夢を見たっていう話をしただけよ!」って…(苦笑)
――あはは(笑)それは確かに、嫌がらせにしか感じません。
栗原:「大変申し訳ありません!大好きだと思って、朝から焼きそばパン巡りをしたんです…」と謝ったけど、「バカヤロー!」って怒らましたよ(笑)
――焼きそばパンに襲われるデジャブかと(笑)
栗原:でもね、マツコさんが帰ったあとに楽屋に行ったら、焼きそばパンの食べ終わった包み紙があって、残りは全部、持ち帰ってくれたみたいなんですよ。あんなに文句を言っていたのに…マツコさんって、とても素敵な方です。だから今回の「豆大福」は、「焼きそばパン」のリベンジの意味もあったんですよ。
仕事から贈り物まで、栗原さんの「準備」には抜かりがない。人は一生懸命考えて贈られたものに、心を動かされる。多忙な中でも、それを実践し続けることが、人間関係の構築に役立つのだ。
【栗原甚】
日本テレビ/演出・プロデューサー
伝説の人気番組『¥マネーの虎』をはじめ、これまで『さんま&SMAP美女と野獣スペシャル』『伊東家の食卓』『ぐるナイ』『行列のできる法律相談所』『松本人志中居正広VS日本テレビ』『踊る! さんま御殿』『中居正広のザ・大年表』等、数多くの番組を手がける。その活躍はバラエティだけに留まらず、2016年には国民的ギャグ漫画『天才バカボン』を実写ドラマ化したことでも話題を集めた。
<取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。