更新日:2023年03月21日 16:26
エンタメ

34歳、“最底辺グラドル”がそれでも諦めないワケ

「“吉沢さりぃ”の市場価値を客観視している」

 今年で34歳を迎える彼女。かつての同期には、結婚して辞めた人もいれば、AV女優や風俗嬢になった人もいる。消息不明となった人も少なくない。そんな中でも、彼女は今でもグラドルを続けている。 「オンナを売らなければいけない業界にいるのに、私はオンナを売るのが苦手で。だから、オンナを売るのが得意な人をバカにしちゃうこともあるのですが、内心では羨ましいと思っていて。やっぱり、私もオンナを売りたい……その部分が、グラドルを続ける理由なのかもしれません。でも、被写体でいられる時間は長くないとも思っていて。刻一刻と“価値”が下がっていることは実感しているから。これまでAVのオファーや乳首の露出をかたくなに拒んできましたが……需要があるうちに、40歳ぐらいでぺろっと脱いじゃうのもいいかなって(笑)。ただ、それも長くやれることではないから」  彼女は自分のことを「底辺グラドル」「ちょうどいいブス」「巨乳の色モノ」などと表現するが、それは「吉沢さりぃ」の市場価値を客観視していることの現れでもある。 「グラドルを辞めていた頃、裏方のマネージャーをやっていたんですよね。売れてないクセに、やたらとプライドが高くて、仕事を選んでばかりいるようなダメなグラドルも見てきた。そんなんじゃ、まったく仕事にならないよって。だから、客観的に自分の価値を見極めて、何が求められているのか考える。今振り返ってみれば、マネージャーだったときの経験がすごく活きているのかもしれません」 吉沢さりぃ 彼女は、裏方の経験も含めて10年以上に渡って業界を見てきた。脱落していく人たちに共通点はあるのだろうか。 「結局、可愛いだけではダメなんですよね。水着だけで勝負できるグラドルは皆無に近かった。DVDを5~6本ぐらいまでぽんっと出せちゃったグラドルは、逆に脱落しがちかも。その次に、何がやれるのかって問われるんです。そこで、これ以上は脱げない、トークもできない、特技もない、SNSも面白くないって感じだと、にっちもさっちもいかなくなる。そこでグラドルから、ただの“可愛い人”に戻ってしまうんです」  吉沢さん自身も、容姿だけでは勝負できないと客観視し、プラスアルファの力で生き抜いていくためにライターを始めた。むしろ最近は、ライターとして各媒体で頭角を現しつつある。彼女が書いた記事がテレビ関係者の目に留まって、出演オファーが来るようにもなったという。  それでもグラドルという肩書きを捨てられない理由とは? 「本音で言えば、ニーズ的に“グラドル兼ライター”をやっている部分もあります。ライターとして文章力だけで食べていける力が、まだ自分にはない。やっぱり、グラドルというフックが必要かなって。ぶっちゃけ一度、バイトでも出版社とかに入ってきちんと学んだほうがいいかなとも思う」  彼女は、グラドルとして、ライターとして。そのスイッチを不器用に切り替えながらも、「吉沢さりぃ」という自分だけの道を歩んでいくつもりだ。 「ライターの活動も始めてから、取材の現場で編集者やカメラマンさんから『せっかくだから、吉沢さんも一緒に写って』とか言われることがある。そんなときは、そういうつもりで来ていないから無理って、断っちゃうことも多いんです。でも、今日みたいに一応グラドルとして撮られるつもりのときは、すごい楽しくて。やっぱり撮られるのが好きなんです。そういう気持ちがなくならないうちは、グラドルを続けようかなって」<取材・文・撮影/藤井厚年>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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最底辺グラドルの胸のうち
週刊誌やコミック雑誌のグラビアを飾ることもなく30代を迎えてしまったグラビアアイドル・吉沢さりぃが赤裸々に語る。マウンティング、枕営業、副業、恋愛、妊娠、そしてSEX……脱け出せないのには、理由がある!

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