恋愛・結婚

インディーズV系バンドマンしか愛せない30代風俗嬢「始まりはホストでした」

将来のことは何も考えていない

「指名して半年ほど経った頃、彼が独立してバーを出店したんです。バーなので隣に座ることはできないけれど、ホストよりは安いので今度はそのバーに通いまくりました。そのときに店のアルバイトとして働いていた女の子のスタッフとも仲良くなったんですが、後から聞いた話によると学生時代から交際している彼女だったようで……、結局バー開店から1年ほどで店を閉めて2人は結婚して地元に帰っていきましたね」  サキさんがV系バンドにハマったのはそれから数カ月後のことだった。 「代表から買ったCDを聞いているうちに、バンドに興味を持って色々調べていたらハマってしまったんです(笑)。でもライブとかにはあまり行かず、掲示板で麺(バンドメンバー)が来るバーの情報を調べて個人的に繋がろうと思いました。代表を指名していたときもですが、一ファンとして見られるよりも人気の人を独り占めすることに優越感を感じるんですよ。バーで好きな麺がいたら、普通のファンなら一晩で満足するんだろうけれど、しっかり落としてから付き合う……というゲーム感覚で楽しんでいましたね」 バンド そんな恋愛癖ゆえに「もう一般人は好きになれない」というサキさん。現在、同棲しているのは9歳年下のインディーズV系バンドのボーカルという彼女。この先のことを訊ねてみた。 「店(風俗店)では26歳と言っているので、通用する間は続けるつもりです。彼のバンド活動にお金は出さないんですが、生活費は工面しているので。でもこの年で普通の仕事なんてできるわけないので、今はまだ何も考えていませんね」  将来のことを何も考えていないというサキさん。浮世離れこそしているが、そんな彼女だからこそストレスを貯めず長く風俗で働いているのかもしれない。<取材・文/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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