インディーズV系バンドマンしか愛せない30代風俗嬢「始まりはホストでした」
筆者が20代だった数年前、V系バンドにハマっている女性が周りには多かった。今でもたまに「元バンギャでした」という人に会うことはあるが、そんな中で「今もバンドマンと同棲しています」という女性がいる。上原サキさん(仮名35歳)だ。
「元々、バンドにそこまで興味はなかったんです。学生時代、友達はL’Arc〜en〜CielやJanne Da Arcなどにハマっていましたが、私はどちらかというとファッションに興味があって、ロリータ系の服が好きでしたね。地元は関東の片田舎なので、休みの日はよく原宿まで服を買いに行ってました。高校卒業後は特にやりたいこともなかったので、ロリ服をたくさん買いたいという理由で上京。仕事はキャバクラをしていたんですが、当時キャバ嬢でロリ服着ている人って全然いなくて。店でも全然指名されなくて家賃が払えなくなってしまったとき、スカウトマンに声を掛けられて風俗に入店しました」
1番最初に働いた店は、家の近くの池袋だったという。
「その風俗店では、事務所が借りているマンションの一室で女の子達が待機するんですけれど、みんなビックリするぐらいホストの話しかしないんです。ホスト雑誌があったり、昨夜行った店の話、中にはホストと電話で喧嘩して泣いている子もいました。そんな状況なので、もちろん私に『サキちゃんはどこの店行っているの?』と聞かれて。行ったことないと答えると、『じゃあ、今度初回一緒に行こうよ!』と誘われました。
私はホストにお金使うのもったいないな……と思ったんですが、当時は初回料金はホストが自腹で出してくれる店が多かったんですよね。『お金はかからないから』と言われて渋々行くことに。でも当時のホストって、ギャル男ばかりだったので全然タイプじゃなくて。会話もノリだけで『うぇ~い!』みたいな。当時20歳にはなっていたんですがお酒も全然飲まないし飲み会のノリも分からないので、どこが面白いんだろう? と初めは思いました(笑)」
そんなある日、仕事中に何気なくホスト雑誌を見ていると一件のホストクラブが目に留まった。
「髪型も金髪とかではなく、黒髪や赤髪ばかりのV系ホスト在籍のホストクラブというのがあったんです。その時の私はロリ系ファッションからゴスロリ系になっていたので、そこの店のホストの服装も好きな感じで。服の話したいなぁと思って、1人でその店に飲みに行ったんですよね。
その時、付いてくれた代表が話も合って面白かったのでその指名して店に通うようになりました。代表はインディーズのV系バンドのボーカルもしていたのですが、私はライブとかに興味はありませんでした。でも、『CD買ってよ』とお願いされると『店でシャンパンをねだられるよりイイか』と思っちゃって、結構買ってあげたんです(笑)」
東京に出てきて初めて好きな人ができたというサキさん。だが、その恋は長く続かなかった。
「ライブとかは行かないんですけれど……」そう話すサキさんは現役の風俗嬢。身長が低く童顔のサキさんは一見するととても30代とは思えない。サキさんが風俗で働き続ける理由とは何なのだろうか。
あるホストへの恋
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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