夫へのDVが子に向かうとき…。離婚しても逃げられない泥沼問題
妻からDVを受ける男性が急増しているという。誰にも言えず思い悩む男性たち。その声に耳を傾けてみた
男性から女性への暴力などは言語道断だが、実は近年は女性から男性へのDVも増加傾向にあり、他人事ではない。警視庁の発表によれば、配偶者からDV被害を受けた男性による相談件数は、’14年の181人から’18年の1571人と8倍以上に急増しているのだ。
さらに、離婚をしてDV妻から逃れることができたとしても、その矛先が子供に向かってしまうケースは少なくないという。暴力妻と離婚した会社員のAさん(42歳)は、離婚後に起きた悲劇を語ってくれた。
「日曜の朝、チャイムの音で起こされると、そこには妻に引き取られた小学生の娘がいたのです。泣きながら『お母さんに叩かれる』と。すぐに元妻と連絡を取ると『あの子はあなたと一緒。すぐにウソをつく』と言うんです」
あまりにも怯える娘をAさんがなだめていると、またしてもチャイムが鳴った。
「ドアを開けると警察がいました。娘を元夫が連れ去ったと元妻から通報があったと言うんです。親権は向こうにあるため、警察も最初はかなり高圧的でした。結局、娘の話と私の話をすることで、児童相談所が介入することになりました」
その後、元妻の娘に対するDVはAさんと離婚してから始まったことが警察と児童相談所により判明。娘も児童相談所に一時的に保護されることとなった。
「離婚が成立したときは、ようやく逃げ出すことができたとホッとしました。でも、子供を置いて逃げたとも言えますよね……」
子供へのDVが判明したことで、Aさんは親権を求めたのだが、事は簡単に運ばなかった。Aさんの収入などが引っかかり、認められなかったのだ。
「親権は元妻のままですが、児童相談所の勧めもあり、元妻と一緒にカウンセリングを受けています」
離婚してもDVから逃れられない。DVは根が深い問題なのだ。
※週刊SPA!6月18日発売号「世にも恐ろしい妻のDV」特集より
<取材・文/週刊SPA!編集部>
夫へのDVが子供に向かうとき……
『週刊SPA!6/25号(6/18発売)』 表紙の人/ 岡田准一 電子雑誌版も発売中! 詳細・購入はこちらから ※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める! |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ