更新日:2025年05月27日 18:19
恋愛・結婚

「負けっぱなしじゃないですか」突如、子どもと引き離された40代男性の悲痛。親権は妻、養育費も支払い“月1回の面会”も断固拒否され

現在、3組に1組が離婚する時代です。厚生労働省の人口動態統計(2023年)によると結婚が47万組に対して、離婚は18万組にも及びます。たまたま3分の1に入ってしまったとしても、たいして珍しいことではありません。 しかし、子育て中にもかかわらず、結婚生活を終了させ、片親になることを選ぶのは大きな決断です。子どもがいない夫婦とは離婚の“重み”が違います。夫婦の間にまだ成人していない子どもがいる場合、父親と母親のどちらが引き取るのか……親権の所在を決めないと離婚することはできません(民法819条)。
離婚 夫婦

画像はイメージです

「共同パートナー」に形を変えるのは簡単ではない

「長い間二人で話し合い、離婚という結論を出しましたが、第一に考えているのは子どものこと。これからは子どもの父親、母親として子育てについては互いに協力していくつもりです」 これは著名人が離婚する際、発表するコメントの雛形のようなものですが、本当に“元夫婦”が助け合って子どもを育てることは可能なのでしょうか? まだ信頼関係が残っているのなら、今でも一緒に住み、同じ空間で生活を送っているはずです。すでに信頼関係はなく、一緒に住めないし、まともな会話が成り立たず、できる限り、連絡をとりたくないから離婚したのではないでしょうか? 夫婦をやめたからといって、子どもを育てるという目的に限った「共同パートナー」に形を変えるのはそう簡単ではありません。「離婚したら友達に戻ろう」なんて虫のいい話です。

10年間子どもと面会できなかった高橋ジョージ

厚生労働省の統計(2022年、人口動態統計)によると、夫婦が離婚する場合、子どもが1人のとき、母親が親権を持つ割合は全体(4.5万人)の92%(4万人)。父親の割合はわずか8%(5千人)しかいません。ここでは妻が親権を持ち、夫には親権がない前提で話を進めます。 このように親権を持っていない夫が「離婚しても子どものために何かをしたい」と思っても、実際に育児を手伝わせてもらうのはハードルが高いです。例えば、週末だけでも子どもを預かり、一緒に食事をしたり、買い物をしたり、映画を見たりすれば、親権を持つ妻の負担は減るでしょう。それ以外にも例えば、学童、習い事の送迎、病気の看病、宿題のフォロー、学校や地域行事の参加、学校からの呼び出し、夏休み等の宿泊など。離れて暮らしていても子どものためにできることは山のようにあります。 しかし、統計上(厚生労働省の2021年、全国ひとり親世帯等調査)夫が子どもを面会しているケースは全体の30%しかありません。たとえば、「ロード」で有名なTHE 虎舞竜の高橋ジョージさんは三船美佳さんと離婚して以降、10年間にわたり、子どもと面会できなかったそうです。 同統計によると妻が夫に子どもと会わせなくない理由の一番は「相手と関わりたくないから」(26%)。結婚生活を継続できないほど嫌いな相手なのだから、当然といえば当然ですが、どうしたら良いのでしょうか? 全体の66%は離婚時、面会の条件(日時、回数、送迎、面会方法など)を取り決めていません。逆にいえば、きちんとした約束を交わしていれば、離婚してもまだ面会できる可能性が残ります。
次のページ
突然、妻が子どもを連れて実家に…
1
2
3
4
5
1980年生まれ。国学院大学卒。行政書士・FP。男の離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、「離婚サポートnet」会員は6千人を突破。「ノンストップ」(フジテレビ)、「ホンマでっかTV」(フジテレビ)、「市民のミカタ」などに出演。著書は「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷)など11冊。X:@yukihiko55 ブログ:法律でメシを食う若造のブログ Facebook:yukihiko.tsuyuki
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】