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年金月額が最大42%増える「繰下げ受給」は本当に得なのか?

81歳以上長生きすれば逆転

 逆に70歳から繰下げ受給した場合、しばらく受け取り総額は少ないが、81歳以降になれば総額は多くなり、長生きすればするほど多くの年金がもらえることになる。 繰下げ受給 このような繰り下げのメリットはまだまだ知られておらず、現在繰り下げを選んでいる人はわずか1.4%しかいない。対して、3人に1人は繰上げ受給を選択している。確かに繰下げ期間中は年金をもらえないため、65歳以降も働き続けたり、貯蓄を取り崩しながら暮らす必要がある。  また、受け取り総額が少ない間に亡くなってしまうと、「普通に65歳からもらっておいたほうがよかった」と“もらい損ねるリスク”があるのも事実だ。  さらに、5年間繰り下げると42%増なのに、税金と社会保険料の負担が増えるせいで「手取り額」で見ると42%増とはならない点にも注意が必要だ。  ただし、もらえる年金を受け取っていなかった場合は5年間さかのぼって請求することが可能。つまり、繰り下げ待機中に亡くなったり、今からもらいたいと思ったら、遺族や本人が5年までさかのぼって一括で受け取ることができる。健康状態や資産状況などに合わせて「繰下げ受給」も検討したいものだ。<取材・文/SPA!編集部>
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