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運動不足とメタボを放っておくと40代でも寝たきりに…実は怖い中年の体調不良/医師監修

 体調不良のちょっとやそっと、中年だからと放置しているといつしか大病に直結する。しかも、中にはとてつもなく凶悪な病に発展していたというケースも。そんな、中年が油断しているとシャレにならない病気のひとつ、「サルコペニア」を知っているだろうか。
サルコペニア

<サルコペニア>白く見える皮下脂肪の内部が筋肉だが、縮小しているのがわかる

運動不足で歩けなくなり骨折、メタボが加わるとさらに悲惨

 運動不足とメタボは、いまや誰もが抱える健康上の問題だが、これが「サルコペニア」という深刻な病気を誘発する可能性がある。  サルコペニアは、’88年に提唱された概念。加齢によって骨格筋量が減少し、筋力や身体機能(歩行)が低下する疾病だ。65歳以上の高齢者に多く、疲れやすさや転倒、骨折のリスクが高くなる。中でも大腿骨近位部骨折を起こすと、寝たきりや死亡のリスクが生じるだけでなく、心不全、呼吸器疾患、慢性腎不全、がんなどの患者は予後が悪くなり、外科手術時の合併症リスクまで高くなってしまう。 「サルコペニアは意外にも、40~50代の男女にも起こり得ます。多くの場合はがんなどの病気で手術や化学療法を受けるたびに骨格筋量が減ってしまう。また病気がなくとも、若い頃から運動習慣がなく、栄養が偏っている人は発症する可能性があります」  と語るのは、日本サルコペニア・フレイル学会代表理事の荒井秀典氏。  若い世代で発症しても、寝たきりになる可能性はあるのだろうか。 「サルコペニアとともに骨粗しょう症を合併すると骨折する可能性はあるが、臓器の予備能力があるため、寝たきりにまでなる可能性は極めて低い。ただし、がんなどの重篤な病気が背景にある場合は例外です」
サルコペニア肥満

サルコペニア肥満は、筋肉の中に脂肪が入り込んでしまった状態

 また、サルコペニアに肥満という要素が加わると「サルコペニア肥満」になってしまう。 「若い頃から肥満(特に内臓肥満)があって食事制限をしている人が高齢になった時や、食べすぎと運動不足でサルコペニアとの合併を起こすケースも。怖いのは、筋肉の中に脂肪が蓄積するため、見た目上は、骨格筋量が保たれているように見える点です」  以前に比べて疲れやすくなった、転びやすくなった、筋力の低下によりペットボトルのフタが開けづらくなったといった症状があれば、要検査状態だ。 ▼サルコペニアのリスク 疲労、転倒、骨折、運動機能の低下、骨粗しょう症、動脈硬化系疾患発症のリスクが高まる。また、がん患者が合併すると生存率低下 ▼予防法 筋トレ、一日8000歩程度の歩行、ビタミンD活性化のための適度な日光浴、栄養的食生活および適度な糖質制限が有効 【荒井秀典氏】一般社団法人日本サルコペニア・フレイル学会代表理事 国立研究開発法人国立医療健康センター理事長。著書に『寝たきりにならずにすむ筋肉の鍛え方』(河出書房新社)他多数 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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