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渋谷界隈に生息する“色黒ヒゲ男”たち。オシャレする目的は「女」でいい

若者たちは“目的”に応じて服を選ぶ

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※画像は、雑誌『BITTER』(大洋図書)より

 かつては雑誌が特集を組めば、街を歩く若者たちの装いにも変化が見られた。トレンドを掴みオシャレを目指すためには雑誌の存在は欠かせないものだったのだ。しかし現在は、コンビニや書店の本棚を眺めてみても、ほとんどのメンズファッション誌が姿を消した。今の若者たちのトレンドは、どのようにして生まれるのだろうか。 「ファッションは“目的”が優先されるようになったのだと思う。もちろん、女性にモテたい、彼女がほしいという目的もあれば、最近はグランピングなどキャンプブームもある。つまり、目的という裏打ちがないかぎり、トレンドは生まれにくい。  ただ漠然とメディアが『トレンドはコレだ!』と決めてかかってもユーザーはすでにSNSを通じて多種多様な選択肢があるので、それに左右はされない。だから、今の若者たちはトレンドを掴むというより、やりたいことや行きたいところがあって、それに応じた服選びとなるのだと思う。『BITTER』はそのなかで“女”目的のためのスタイルでいい」  では、そんな今のビタ男たちの最先端トレンドとは、どのようなスタイルに寄りつつあるのか。 「最近は日本ならではのようなスタイルが減りつつあり、最先端のビタ男はもっと海外を意識したストリート寄りに傾いている。また、小物でどうだ? という小技ではなく、全体像で魅せる傾向もありますね」
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※画像は、雑誌『BITTER』(大洋図書)より

 ――若者向けのメンズファッション誌が少なくなった昨今。本棚に残されているのは主に30代以上のおじさんをターゲットにしたものばかりだ。そんななか、若者たちに話を聞けば、「好きなモデルのSNSを直接フォローし、そのスタイルを参考にしている」という人が実に多いのである。  『BITTER』の読者モデルたちは、SNSで多くのフォロワーを抱えている。たとえば、専属モデルのARATA(@arata1012)のインスタグラムは約4万5000人。RYUJI(@ryuji.1025)は約5万4000人だ。彼らの情報発信と併せつつ、コンビニや書店の流通をなくし、公式通販サイトのみで販売するという手法は、いわば現代的と言えるのかもしれない。<取材・文/藤井厚年、画像/『BITTER』編集部>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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