渋谷界隈に生息する“色黒ヒゲ男”たち。オシャレする目的は「女」でいい
いわゆるパリピをはじめ、渋谷界隈には黒肌にヒゲ、EXILEや三代目を彷彿させるファッションの男たちが数多く生息している。今でこそ定着したが、そのスタイルが流行の兆しを見せたのは約6年前。2013年10月に創刊した『BITTER』(大洋図書)というメンズファッション誌の功績があった。
そもそも渋谷界隈にいる色黒ヒゲ男=ビタ男についてよくわからないという人も多いはずだ。彼らはいったい、何者なのか。東宮氏が説明する。
「あくまで男性自身のフェロモンで魅せる。肌を焼き、ヒゲを生やす……女性にモテたいという本能的な部分が強いルックスですね。それにフォーカスしたのが『BITTER』という雑誌。ビタ男の由来はそこからきています。まあ、EXILEと筋骨隆々ハリウッドセレブのいいとこ取りと言えばわかりやすいかもしれません」(東宮氏、以下同)
今回、あえて紙媒体の雑誌で復刊を決めた理由は何だったのか。ちなみに従来の流通方法とは異なり、コンビニや書店に雑誌は並ばない。メディアとしては大きく舵を切り、公式通販サイトのみでの限定販売になるという。
「ファッションが多様化し、流行というものがつくりづらい今は、ファッション誌を今まで通りに流通させるのはナンセンス。そこで、もっと愛好家にピンポイントで届くように雑誌の公式通販サイトのみでカタログ形式で販売します。
通販サイトは便利であるぶん、ファッションイメージをアウトプットしにくい。そこで、紙というものに今一度世界観を落とし込み、『BITTER』のイメージを再発信する。もちろん、一般流通しないマニア性の高い商品ですが、顧客満足度を高めるオプションとして役立てば本望。女性にモテたい男はいつの時代になっても存在するので」
そんな“色黒ヒゲ男”たちは「ビタ男」と呼ばれ、最高発行部数は10万部を記録。渋谷のブームを牽引してきたが、時代はSNSへと移り変わる。昨年10月、惜しまれながらも休刊となった。あれから1年……10月25日に『BITTER』公式通販サイト限定で復刊を遂げるという。
出版不況が叫ばれ、雑誌が売れない現代において復刊を決めた理由とは。そして、“色黒ヒゲ男”たちの最先端ファッションとは? 編集長の東宮昌之氏に話をうかがった。
渋谷に生息する“色黒ヒゲ男”たちの今
1
2
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ