『不況で正社員は減っている』は真っ赤な嘘!?
長年、「そういうものだ」と思い込んでいたことが、実はまるっきり違っていたという経験は誰にでもあるだろう。そこで、我々が普段当たり前のように思っていた定説をもう一度、洗い直してみたい
【雇用編】
貧困問題の本丸は「若い非正社員」ではない!
<定説>不況で正社員は減っている
<真実>正社員はむしろ増えている
不況の折、「正社員の数が減っている」という定説について『雇用の常識「本当に見えるウソ」』の著者で、リクルートエージェントの海老原嗣生氏はこう覆す。
「『’94年~’08年の14年間で15~24歳の正社員が300万人も減った』と言われていますが、そもそも総人口を比較すると573万人も減少していますからね」
また、人口減以外の問題も指摘。
「若年層の2人に1人が非正規と声高に言いますが、大学生の増加も大きいんです。15~24歳までの就労者(534万人)のうち、確かに5割弱の248万人が非正規。でも、このうち在学中の人数は115万人。つまり学生バイトです。これを除くと非正規雇用は133万人で、正規68.2%に対し、非正規は31.7%に下がる」
実際、’94~’08年までの14年間で、大学生・院生は48万人も増加。人口が減り、大学生が増えれば当然、正規社員は減る。そもそも「昔から25歳までの非正規数は多かった」と氏は言う。
「現在25~34歳の正社員は916万人で、非正規は315万人ですが、その人たちの10年前を見ると、正社員が454万人で非正規は239万人。つまり今の非正規の人も10年後には正規雇用になっている可能性があるんです」
そう考えると、若年非正規は言われるほどの問題ではない!?
海老原氏はさらに「若年だけでなく、日本全体でも正社員が減っているとよく騒ぎますね。これも似た構造です」とも指摘。15~65歳の生産年齢人口が’96年以降、猛烈な勢いで減少しているのだ。そのせいで、正社員も’98年をピークに減少に転じたという。
「生産年齢人口がまったく同じ8178万人だった’84年と’07年を比較すると、正社員数は’84年が3333万人、’07年は3441万人と、つまり108万人(3.2%)も増加しています。ただこの間に、非正規社員は、1128万人も増えている。つまり、『正社員を減らして非正規社員を増やした』のではなく、『正社員も増えたが、非正規社員のほうがもっと増えた』というのが正解です」
さらに、’03年の製造業への派遣解禁で「正社員を派遣社員に置き換えた」という論調もバッサリ。
「元々製造業は自社従業員ではなく、製造請負会社という『外部の従業員』を大量に抱えていましたが、解禁によって『請負企業の正社員』から『派遣社員』へ雇用形態のみ変更され、正社員減少に繋がった。この見せかけの正社員減少だけで40万人にもなります」
【海老原嗣生氏】
リクルートエージェント社フェロー。専門は、人材マネジメント、経営マネジメント論など。
新著『学歴の耐えられない軽さ』では、学歴と人気企業のウソを激烈に暴く
― 日本人の[定説]はウソだらけだった!【2】 ―
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『学歴の耐えられない軽さ』 “学歴”という幻想
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