更新日:2023年04月27日 10:21
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スノボ国母容疑者の逮捕に疑問?「大麻取締法は世界の非常識」という高樹沙耶に聞いた

大麻のイメージは昔と違う

 国母容疑者が密輸した、純度が異常に高いとされるワックスは、世界中で解禁が進む医療用大麻などとはどう違うのだろうか。 「たとえばヒッピー世代が『葉っぱ』と呼んでいた頃の大麻と、今の花穂=バッズとかが主流の大麻では全然違う。大麻も植物の一種だから、遺伝子組み替えの野菜や果物と同じく、成分がどんどんコントロールできるようになっているんです。THC(注:テトラヒドロカンナビノール。大麻に含まれる、いわゆるハイになる成分)が高いものを作ることも可能で、みなさんが『大麻』という言葉でイメージするものから、実際は大きく進化しています。  一口に大麻といっても、危険なものだって山ほどあります。大麻じゃないものを混ぜたりすることもあります。だからこそ、国できちんとコントロールするべきなんです。お酒の世界だって、アルコール度数4%のビールと96%のスピリタスでは全然違いますよね。初めて飲むお酒がいきなり96%だったら急性アルコール中毒でブッ倒れて当然ですよ。本来このへんは正しい知識がないと語っちゃいけないこと。ワックスのTHC成分が高いからダメというのは、あまりにも雑な議論です。  医療用の分野では、ちょっとの量だけ(成分が高い大麻を)使うことがある。というのは、純度が高いものが必要だから。病気を治すために、変なものが混ざっていたらダメだから。「強いからダメ」という単純な話では決してない。ましてや、今はグリーンラッシュのまっただ中で、品種改良がものすごいスピードで進んでいる最中です」  最後に覚醒剤で逮捕された田代まさし容疑者について尋ねると、「同じように報道が過熱することで、覚醒剤と大麻を同列だと誤解する方もいます。その辺の扱い方、差別化をどのように考えているのか、むしろ私がメディアの方に聞きたい」とバッサリ。偏った情報が流れているなかで大麻の善悪、解禁の賛否を争ってもしかたない――という主張は、発言の節々から強く感じられた。〈取材・文/小野田 衛〉
出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。
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