仕事

いまどき「総合職」入社は勝ち組なのか? 会社にとって都合良く扱われ…

潰しが利かない、一生いまの会社に尽くすしかない…

会社「総合職とはその名の通り、会社の為には総合的になんでもします、という都合の良い人材のこと。自身の希望に関係なく、会社から求められたことをそつなくこなし、会社の安定、成長に寄与しなければならない。だからこそ会社は、総合職採用で出来るだけ優秀な人材を採用しようとします」  こう話すのは、大手人材企業の新卒採用担当者だ。総合職とはやはり優秀な「オールラウンダー」であり、何をするにつけても「会社のため」に動かなければならない。  大手であればあるほど、大切なのはやはり“人”。優秀な総合職社員は、社員同士のトラブルに首を突っ込み調整をさせられたり、あるいは直属上司の命を受け、ライバル社員を蹴落とすための情報入手を求められることもある。 「総合職で入れば、会社のありとあらゆることをやらされるため、気が付いた時には転職の潰しが利かなくなり、一生いまの会社にいるしかなくなってしまいます。  例えば公務員であれば“国民の利益のために”と大きな目標を持っているために、そうした間違いは起こりにくい。一般企業を希望する人は、ある程度の目標ややりたいことが絞られているために、総合職で会社に入ったのに思い描いていたものとは違う、と落胆してしまう場合は多いでしょう」(大手人材企業担当者)  ともあれ、である。総合職社員はやはり勝ち組とは思わずにいられない。前出の大手テレビ局総務担当者・菅さんが続ける。 「でも働いている限り、やはり給与は重要ですよね。技術職社員や契約社員だと、仕事がなければそれでおしまい。私たちは、会社が存在し続ける限り、仕事があるんです。会社を続かせるのが仕事ですから。お金や仕事がなければ、報道がやりたいなんて夢すらも語れない。普段は辛いですが、給料日やボーナスをもらうたびに、総合でよかったって思っちゃうんです。ジャーナリストになりたいって夢、もうほとんど忘れかけています」(菅さん) <取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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