更新日:2023年05月15日 13:15
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日本人初ミシュラン3ツ星店スー・シェフが考える「ヴィーガン料理」の意味

ヴィーガン料理は身近な材料で作れる

 また、食の面から見た環境問題についても配慮している。 「肉を提供するからこそ、食肉用の動物を育てるために必要な水や飼料の問題、温室効果ガス排出の問題に無関心でいるわけにはいきません。料理人として、肉は肉でやはり魅力的な食材だと感じ、使い続けていきたいからこそ、“Less meat, more vegetable”という考えを併せ持ちたいということも、ヴィーガン料理を作る理由のひとつです」
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パースニップのペルシャード、トリュフ風味

 ヴィーガンには縁遠い人も多いと思うが、米澤シェフはヴィーガンの料理を作るうえで心がけていることがあるという。 「それは、肉や魚の料理をオーダーしたお客さまがジェラシーを感じるぐらいに、おいしそうで華があり、実際に味も香りもゴージャスで満足感のある料理に仕立てることです。そうした料理を作るために活用しているものが、中南米や中東、東南アジアで使われるスパイスやハーブ、自家製のコンディメント(薬味、調味料)です」  米澤シェフは、料理本業界の重鎮、柴田書店から『ヴィーガン・レシピ』を発売し、ヴィーガン料理を紹介している。スパイスはシナモン、クミン、コリアンダーシードなど、ハーブはバジル、ミント、ローズマリー、パクチーなど、身近に手に入るものでも十分だという。 vegan ヴィーガンレシピ 料理が得意な人は自宅で作ってみたり、外食するときにヴィーガン料理があれば意識するだけでもいい。「ヴィーガン」の意味を考えるきっかけとしたい。 【米澤文雄シェフ プロフィール】 vegan1980年東京・浅草生まれ。高校卒業後、東京・恵比寿のイタリア料理店で4年間修業。  2002年にアメリカ・ニューヨークへ渡り、三ツ星レストラン「Jean-Georges」本店で日本人初のスー・シェフとなる。2007年に帰国。都内のレストランのシェフを経て、2014年の「ジャン・ジョルジュ東京」(六本木)の開業に伴いシェフ・ド・キュイジーヌに就任。  2018年9月の「The Burn」(青山一丁目)の開業に伴いエグゼクティブ・シェフに就任。2013年、アメリカ大使館「Taste of America」日本大会優勝。2015年には日本最大級の料理人コンペティションRED U-35で「ゴールドエッグ」を受賞。 <文/日刊SPA!取材班>
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