天下一品、はまぐりラーメンのお味は? 開店前から行列で…
人気ラーメンチェーン「天下一品」。こってりしたスープが代名詞のこの店が、1月27日に発表した新メニューが話題を呼んでいる。それは「はまぐりラーメン」というメニューで、天下一品グループの代表取締役社長である木村一仁氏がじきじきに考案したものとか。
都内で「はまぐりラーメン」を提供する数少ない店舗の一つ高円寺店。話題になっているようでもあり、1日10食のみのうえに店舗も限定されているということで、筆者は念のため、開店40分前の10時20分に来てみた。
しかし、さすがにまだ誰もいない。周辺をぐるっとひと歩きして、開店10分前に戻ってくると並んでいる男性が1人いた。ほぼ同時に到着した男性がおり、筆者が並んだのは3番目。
開店時間までに全部で6人の行列になった。余談だが、ラーメンマニアの間では開店前に並ぶことを「シャッターする」という。
閑話休題。11時になり扉が開き並んでいた6人が店内へ入る。
店員が順に注文を取りにくる。どの客もメニューを開くことなく「はまぐりラーメン」と口を揃える。1000円というラーメンにしては決して安くない価格だが、やはり注目されているのは間違いないようだ。およそ20分後、待ちに待った「はまぐりラーメン」が配膳されてきた。(ラーメンマニアはこれを「着丼」と呼ぶ)
ニュースなどで見てはいたが、実際に目にするとやはり眩しい高級感が漂っている。何より、令和を記念して作られたと言う黄金の丼。早くも磯の香りが立ち上ってきた。
まずはスープを一口。美味い!レギュラーメニュー「あっさり」のスープがベースになっているということで、天一を感じさせる味ながらはまぐりの出汁がしっかりと効いている。プレミアムな味わいが口の中に広がる。しかし、ハッとして見渡すとそこは天一。味と景色の乖離に少し混乱するが、それを凌駕する美味しさだ。
麺はレギュラーメニューのものと同じようだが、スープのベースが天一のものだけに当然相性はいい。トッピングされているとうもろこしのヒゲのようなものは「カダイフ」といって、小麦粉やトウモロコシを原料にした極細麺だ。地中海地方ではデザートとして親しまれているらしい。パリパリとした食感がアクセントになる。主役のはまぐりはしっかりとしたサイズのものが5個。食べ応えもあり美味しい。
しかし、はまぐりラーメンの醍醐味はここからだ。膳に添えられた小皿が3つ、お店としてオススメのトッピング順があるようなのでそれに従う。まずは「焼きトマト」だが、一口かじると程よい酸味が爽やかさを誘う。残りをスープに入れ、2つ目のトッピング「溶かしバター」を投入。ラーメンのトッピングというのは得てして「単に味が1つ加わっただけ」と言う程度のものも多いが、この溶かしバターをいれるとはまぐりラーメンの「別の局面」に変わったスープが味わえる。まろみが出て新しい美味しさだ。
そして最後がとっておき「トリュフオイル」。まさか天一でトリュフオイルを目にするなんて思ってもみなかったし、このオイルもまさか天一にやってくるなんて思ってもみなかっただろう。しかし、これが驚いたことに「もっとも美味しい第3の局面」を演出する決め手になっていた。はまぐりやバターの旨味を残しながら、オイルがはっきりと主張をしている。
ジャンクなラーメンの代名詞ともいえる天下一品だが、きちんとした「いいラーメン」が誕生していて思わずスープまで全部飲んでしまった(ラーメンマニアはこれを「汁完」という)。
提供店舗も限定され、しかも各店舗1日10食限定だという希少なメニューを実際に食べてみることにした。
開店前に行列が…!
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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