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『パラサイト』アカデミー賞受賞で、ますます広がった韓国映画と日本映画の差

日本映画と韓国映画を見比べると大きな違いがある

 かつては日本映画も面白いエンタメ作品を作っていた。しかしそれは消え失せてしまった。なぜだろう。この事実は、日本の社会から何かしらの精神性が失われたことを暗示しているように思える。日本映画独特の「委員会制度」が、堕落の原因だという声も聞く。数社の企業から製作費を募るため、自然、企画書は、通りやすいすでにヒットしている漫画ばかりになってしまう。購買が見込めるオタク向けになってしまう。無難を選ぶ精神性、リスクを背負うのを嫌う責任回避の精神性。それも原因の一つだろう。だが、何か根本的な精神性を日本社会が失っているように思う。  日本映画と韓国映画を見比べると大きな違いがある。血汗糞尿の有無だ。韓国映画は体液にまみれている。『パラサイト』では、「半地下住居」は下水処理が不十分なため、大雨で便器から汚水が噴き上るシーンがある。糞尿が噴き上る映画がアカデミー賞を受賞したのだ(!)。その血汗糞尿に我々の社会が失った精神性の何かあるような気がする。日本でも昨年の台風19 号では、タワーマンションで糞尿が逆流したらしいけど。  蛇足であるが、『パラサイト』で描かれた「半地下住居」は、1960 年代半ばに北朝鮮からの爆撃に備えて、韓国政府が地下層の設置を義務化し、1975 年から法改正により住居として使用することを認めたため、貧困層が定住したそうだ。1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中
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