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立川志らく「妻と弟子の不倫」に関するコメントが薄っぺらく感じたワケ

男性有名人が妻の不倫を語るとき

 立川志らくの妻と弟子の不倫を 週刊文春 2020年3月12日号が「証拠写真」付で報じた。立川志らくはMCを務める、TBS系情報番組『グッとラック!』で、「私は妻の事を信じておりますので、このことで夫婦の絆が壊れることもございません。離婚することも1億%ございません。私の妻、かけがえのない妻を世間の目から守る、命がけで守る」とコメントした。
グッとラック!

『グッとラック!』公式サイトより

 映画の世界では妻の不倫に逆上して発作的に殺人を犯す夫がよく出てくる(ぱっと思い出せるのは今村昌平監督の『うなぎ』とフェルナンド・メイレレス監督の『シティ・オブ・ゴッド』など)。フィクションの世界では、殺人の動機として妻の不貞は必然性を広く認知されているらしい。  それに鑑みると、男性有名人が妻の不倫を許すコメントを出す時、かなり高い心のハードルを越えていることになる。歯を食いしばって、理性で感情を抑え込んだはずだ。さすが、世間に「ツラ・名前」を出す仕事の者、いい根性していると思う。  妻の不倫問題で思い出すのはビートたけしだ。ビートたけしは、不倫相手の元に、出奔した妻を迎えに行った。この件で囲み取材を受けて、「まいちゃったよ」と言いながら、たけし特有の苦笑いを浮かべていたことを思い出す。  既に芸能界のトップに君臨し、ラジオで自らの浮気や別居すら笑いのネタにしていたビートたけしが、決然として離婚はしない態度を見て、バリバリのビートたけし信者だった私は(今でもそうだが)漠然と「離婚はしてはいけないものなんだな」と、当時、夫婦の事なぞわかるはずもないガキだったくせに、妙な教訓を胸に刻んだのだった。だから去年の離婚騒動はさすがにちょっとだけズコッとなった。  妻の不貞を容認することにおいて、最も迫力があるのは、岡本太郎の父親でもある漫画家、岡本一平だろう。岡本家には、妻のかの子の愛人男性が同居していたと言う。一平はかの子の執筆活動に最善と思い、それを容認する。  その時、一平は国民的な漫画家だった。全15巻の『一平全集』に5万セットの予約が入ったのを機に、一家でヨーロッパ旅行に出た際、市民が見送りのために、旗を持って駅に集まったと言う。一方のかの子はまだ目が出ぬ小説家である。一平に芸術家の狂気じみた凄みを感じる。  男は見栄で生きている。繰り返すが、男性有名人が妻の不倫を語ることは、かなりの精神的苦痛を伴うだろう。
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志らくの「師匠愛」「夫婦愛」アピールにしらけた気持ちに
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