新型コロナで入社式中止になった新入社員たちの不安、社会人として働けるのか…
新型コロナウイルスの終息はまだまだ見通しが立たない。ライブやイベントのみならず、お花見や卒業式、入学式や入社式など“春の風物詩”ともいえるイベントが軒並み中止となっている。そんな中、3月半ば頃からネット上では「入社式が中止となった」と呟く声が増えた。
3月19日、JR東日本は新型コロナウイルスの感染防止のために入社式を中止すると発表した。同社の新入社員は約1940人であり、それだけの人数が一堂に会することを避けたのだろう。さらに、マツダやキリンといった企業も入社式の中止を発表。特に新入社員の数が数百人~数千人となる大企業は3月中旬のこのタイミングで中止を決定している様子だ。
ほかにも、ネット上では4月から新入社員となる若者たちが、「入社式が中止になった」「入社式と研修がWebになった」と戸惑う様子が見られる。入社式だけでなく、「いきなり“在宅勤務”になった」という声も多い。勤続十数年のベテラン社員でさえ、突然の在宅勤務にどのように働けばいいのか戸惑っていたというのに、まだ会社員として働いたこともない新入社員たちにとっては在宅勤務への不安はより一層大きいはずだ。
さらに、新入社員の親たちからも落胆の声があがっており、「子どもの入社式が中止になりました」「せっかくスーツを買ったのに……」「節目のイベントがなくなってしまい、なんと声をかければいいのか」と悩む親たちは多いようだ。
4月から不動産系の会社に入社予定の川上奈美さん(22歳・仮名)は「卒業式も謝恩会も中止で、会社の入社式も中止になってしまいました」と話す。3月12日に会社の内定者マイページから入社式が中止との連絡があったという。
「卒業式も入社式も無くなってしまうと、気持ち的にモチベーションが上がらないし、切り替えが難しいよね……という話を同期としていました」(川上さん、以下同)
川上さんは現在、同期とともに困惑の日々を過ごしているという。さらに……。
「自宅のネット環境のアンケートが来まして……。そのアンケートの回収日が3日後だったので、(人事担当者が)急いで研修関連の対応をしているのではないかと感じました。確定ではないのですが、新卒の人数が多いのでもしかしたら自宅でWeb研修になるのかもしれません」
入社式だけでなくその後の研修や勤務も在宅で行われるのではないかと予想しているという。誰もが今後の状況がどうなるか読めない状況ではあるが、新入社員ともなればその先行きへの不安はもっと膨らむ。
「自宅研修になった場合、まあ大きな会社なので給与がいきなり減らされることはないと思いますが……。コロナの影響で研修などが不十分なままで実際に働いても大丈夫なのか……ということは考えてしまいます」
しかし、この状況の中でも自分なりに頑張ろうとしている。
「研修で横との繋がりがつくれないのは寂しいですが、逆に自分の時間などが増えると言うことはチャンスかもしれません。私は技術職なので資格の勉強とか業界の勉強を独自で頑張りたいと思っています!」
入社式は一般的に4月1日に行われることが多いが、当日を目前に控えるなか中止を決定する企業が続出している。実際、入社式が中止となった新入社員は、今どんな心境なのだろうか。2人の新入社員を直撃した。
せっかくスーツを買ったのに…
Webでの研修だけで実際に働くのは不安……
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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