更新日:2020年03月24日 16:16
仕事

新型コロナで入社式中止になった新入社員たちの不安、社会人として働けるのか…

卒業式も入社式も中止に「気持ちの切り替えができない」

卒業証書 金融系の会社に就職が決まっている内藤晴美さん(22歳・仮名)も就職先から入社式中止の連絡を受けた一人だ。 「入社式中止の連絡は3月16日に通達されました。新入社員用のマイページへの一人ひとりへのメッセージと、加えて個別にメールでも送られてきました。入社式についてのみ連絡を受けた状態で、業務については予定通りだと聞いています」(内藤さん、以下同)  内藤さんは現在、大きな不安を抱えているという。その理由は入社式が中止になったことだけではない。 「卒業式もなくなり、入社式もなくなってしまったので、あまり気持ちの切り替えができていない状態です。小規模・少人数でもよいので儀式的なものを催してくれれば気持ちのメリハリがついたのかなと思います」  前出の川上さん同様、“気持ちの切り替え”が難しいと話す。たとえ卒業式や入社式を従来通り行ったとしても、学生から社会人への気持ちの切り替えは誰もが苦労するもの。それが一切なくなってしまうと「今日から社会人として頑張ろう!」というスイッチが入りにくいはずだ。内藤さんが続ける。 「本来4月1日は本社で入社式が行われ、その日のうちに各部署に配属される予定でした。しかし入社式がなくなり、配属先に直接集合ということになったため、初めての場所に一人で訪れなければなりません。やはり気が引けてしまいます」  筆者も入社式と研修で同期たちと仲良くなり、配属先までの間に情報交換などをして不安を払しょくした記憶がある。それがいきなり、というのはなかなか精神的にキツイだろう。  同期とは入社式が中止になったことについて「特に話していません」とのことだった。 「会社内でも働き方が色々変化しているでしょうし、その中で新入社員として何も分からない状態で仕事をすることについては正直、心配です。とはいえ、入社まで残された時間はあと少し。事前の準備など、できることは行っていきたいと思います」  内藤さんは入社式がないことを懸念しながらも、川上さん同様、最後は前向きな言葉で締めくくってくれた。未曽有の事態でも自らの道を切り開こうとする新入社員たちにエールを送りたい。<取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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