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コロナ禍で変わった生活、75%が「良くなったこと」を実感

写真はイメージです

日々の日常の大切さに気付いた

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、そして国内では自粛要請からの緊急事態宣言で、我々の生活の景色は一変してしまったが、具体的にどんな変化があったのだろうか。それを問うべく、日刊SPA!上にて「コロナ禍で気づいた、良かったこと・悪かったこと」と題したアンケートを募集したところ、多くの回答が寄せられた。  まず注目すべきは、コロナ禍で気づいた「良かったこと・悪かったこと」の得票数。当然「悪かったこと」に票が集中するかと思いきや、結果は意外にも Q コロナ禍で気づいた、良かったこと・悪かったことを教えてください。 ・良かったこと 75% ・悪かったこと 25%  と、「良かったこと」に気づきを得た、という声が多く集まった。  外出できない、ストレスがたまる、仕事がない、給料が減った、目に見えないウイルスへの恐怖。そして大局的には経済や治安の悪化など、コロナ禍において、平時と比べて悪いのは当たり前。日々の生活の中で小さくてもメリットを探そうと、心理学用語でいう“現状維持バイアス”が働いたのかもしれない。早速、その中身を覗いていこう。  外出自粛やテレワーク、そして保育園・学童の休園等で家族全員が家にいることが増えたことから、「家族の大切さに気づいた」とする人が多かった。 「家にいつもいるが、家族がいるのであまり孤独にもならず、退屈もしない。料理は妻が作ってくれていつも出てくるし、子供ともゲームしたりしてよく話すようになった」(47歳・男性・大学職員) 「仕事が休業となって不安はあるが、子供と一緒にいられる時間がめっちゃ増えて最高な日々」(49歳・女性・飲食) 「夫の仕事量が減って一緒にいる時間が増えたこと。長く続いたらよくないけど今まで忙しすぎたので、外出も出来ず家で一緒に過ごせることが嬉しいです。一緒にお酒を飲んだり映画を観たりしてます」(30代・女性・専業主婦)  個人主義が蔓延する現代社会では、家族ですらも個人の集合という概念にすぎない。俺の時間、俺の仕事、俺の場所、俺の成功…。家庭に個人主義を持ち込むことで、ただでさえパーソナルスペースの維持が困難な都市生活において、安らぎの場であるはずの“家”が“家”として機能しなくなっていた節がこれまであった。「日々の日常の大切さ」(38歳・男性・自営業)、「今までなんにもない普通の日常を退屈だと思っていたのに、それが一番幸せな事だったんだと気づいた」(39歳・女性・専業主婦)という端的な意見もあったが、まさにこういうことなのだろう。

地球視点に立てばこんなメリットも

マスク 精神的なメリットでなく物理的なメリットを享受したという意見も少数ながらあった。 「アウトドア派だったが、流石に警戒して外出せず(買い物、散歩等はする)に、無理くりインドア派に変えただけで…金が溜まった。具体的には一か月で5万円くらい余った。今後も、インドア派になりそう…」(40代半ば・男性・サービス業) 「車やバイクでの通勤なのでガソリンの値段が下がって少しコストが下がった」(38歳・男性・公務員) 「ロレックスが安い」(35歳・男性・公務員) 「出掛けれないので、趣味のコレクションをオークションで捌くペースが順調」(35歳・男性・会社員)  散財しなくなった、外食しない分節約ができたといった話だけではない。テレワークで通勤や会食の時間が圧縮されたのを機に「課金プラットフォーム型の英会話セミナー」を開設、すでに会員を獲得するなど、コロナ禍を副業チャンスに結び付ける動きも筆者の周辺で耳にする。科学者のニュートンは、ペストが流行った時、2年間自宅にこもって万有引力の法則を発見したというが、ピンチをチャンスに――は絵空事ではない。  他にも「咳エチケットが取り上げられた」(45歳・男性・医療関係)、「日頃からの手洗い、うがい、手の消毒の大事さ」など、衛生面の強化を前向きに捉える声も目立った。そして、「コロナ禍で良かったこと」の最後に取り上げるのは、環境、地球視点に立ったこんなメッセージ。 「イタリアの運河が見たこともないほどキレイになって、マニラの空がかつてないほど澄み渡り遠くまで見れるようになった。パンダがストレスなく夫婦生活を送れた」(49歳・女性・会社員) 「空がきれい、空気がきれい、目やにと鼻水が少なくなった」(55歳) 「大気中のCO2が減った」(40歳・男性・会社員)  漫画『寄生獣』のメッセージではないが、未知のウイルスの蔓延に対して、人類への警告めいたものを感じてしまうから不思議なものだ。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
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