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コロナ退職は会社への不信感がきっかけ。危機感のなさに失望…

 緊急事態宣言が全国に発令されて以来、多くの企業は「営業を続行するか、休業するか」などの判断を迫られている。しかし、その判断やコロナ対策により企業の本性が見えてしまうこともある。
マスク

※写真はイメージです(以下同)

 今ネット上では「コロナ退職」というワードまで登場。それだけコロナへの対応で会社に失望したり、コロナの影響で退職を余儀なくされたりした人も多い。今回はそんな「コロナ退職」をした人、そして「コロナ退職」を検討している人に話を聞いた。

「体調を崩す=コロナ」と決めつけられて会社を退職

「業種を言ったら、特定されてしまうので言わなくてもいいですか……」  須藤浩二さん(仮名・36歳)が重い口を開く。これまで会社の寮に住んでいたが、4月前半に軽い風邪をひいてしまったという。軽い風邪とはいえ、このタイミング。風邪を引いている須藤さんに対し、周囲は過剰に反応した。 「寮は1人に1部屋が与えられていたにもかかわらず、同じ寮に住んでいる同僚からは犯罪者のような目で見られました。もちろん、コロナにかかっている可能性はゼロではないので念のためコロナのPCR検査も受けましたよ。結果は陰性でした」  とはいえ、ニュースなどでは一度目の検査で陰性だったが、その後もう一度検査をしたら陽性だったという事例も多数報じられている。そのため、結果が陰性でも同僚たちは須藤さんに対し「コロナかもしれないことには変わりないから」と寮を追い出したのだ。 熱「陰性になっても、その後風邪は完治して元気になっても犯罪者のような扱いは変わりませんでした。結局、寮には戻れず、職場での扱いも変わってしまいました」  たとえコロナであったとしても、この扱いはあまりにもひどい。ましてやコロナではなくただの風邪であったのならなおさらだ。 「今、私の職場では風邪なんてひけないし、ひいたらコロナ扱いという風潮はあります。コロナじゃなくても、体調を崩したらコロナなんです。それが陰性であったとしても……もしかしたら誤診かもしれないし……という感じですね」  そして、須藤さんは退職を決意した。現在、転職に向けて準備を進めているそうだ。
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会社の危機感の無さに「コロナ退職」を検討中
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