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コロナ退職は会社への不信感がきっかけ。危機感のなさに失望…

会社の危機感の無さに「コロナ退職」を検討中

退職願 「コロナ退職をしたいと思いつつ、まだ悩んでいて……」と語るのは写真関係の企業に勤めている橋本香苗さん(仮名・32歳)だ。仕事には誇りをもっており、「辞めていった同期からは“よく辞めずに続いてるね”って言われる」ほどハードな職場にもかかわらず頑張ってきた。しかし……。 「緊急事態宣言が出て休業するお店や会社が増えているにもかかわらず、あまりの会社の危機感のなさに失望してしまいました」  サービス業とはいえ、本人が「今現在の状況の中では必要ない仕事」と話す通り、スーパーやドラッグストアのような業種ではなく、小さな子どもの写真撮影をする仕事だ。 「お客様との距離が近いこともあり、スタッフは毎日不安です。もちろんマスクやアルコール消毒・換気等はしていますが、緊急事態宣言が出た今、必要ない業種は休業すべきですよね」  加えて、職場では日常的にパワハラまがいの行為もみられることが橋本さんを悩ませている原因なのだとか。「今は改善済みで職場自体は嫌いでない」と言うが、それでも気持ちの浮き沈みはある。そんな中のコロナへの危機感のなさが会社への不信感を加速させた。 「自分がコロナウイルスに感染してしまっていても無症状なだけかもとか、もしも感染してしまったら私のせいで迷惑をかけてしまうのではないかということを考えてしまいます。しかし、会社はそうではないみたいで……」  こうした状況にもかかわらず、会社の上層部は文書で「営業を継続」と伝えるのみ。社員が安心できるような対策を具体的には何もほどこしてくれないのだという。 「それでも私たちはお客様がいるから喜んでもらえるように頑張らないといけません……もう少しだけ頑張ってみて、限界がきたら考えます」  不要不急のサービスであれば、私たち消費者が「利用しない」ことでこうした従業員の不安を軽減することにもつながるかもしれない。<取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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