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航空会社勤務から鉄道会社の社長に…地方ローカル線の救世主が語る「トキ鉄」の今後

コロナの影響は?

観光列車『雪月花』

観光列車『雪月花』

 だが、全国の公共交通機関はコロナ感染拡大による外出自粛、その後の緊急事態宣言の影響で利用客が激減。トキ鉄も沿線の高校が一斉休校となり、駅や車内から学生の姿が消え、会社のみならず地域のシンボルだった観光列車『雪月花』も運休を余儀なくされた。 「鉄道業界にとって厳しい状況が続いています。心配している方も多いと思いますが航空業界ほど切迫した状況ではなく、倒産する鉄道会社が出るとかまだそういった段階ではありません。トキ鉄にしても今の状態が仮に数年続いても十分耐えられます」  もちろん、コロナが収束したからといって観光客がすぐに戻ってくるとは限らない。それでもこうした逆境は過去にも経験済みだ。
直江津駅に隣接するトキ鉄本社

直江津駅に隣接するトキ鉄本社

「どうすればトキ鉄に興味を持ってくれて、実際に足を運んでもらえるか、その辺のアイデアはいろいろと考えています。詳しいことはまだ言えませんが、例えば『雪月花』の料金(※食事付き税込1万7500円)の半分ほどで乗ることができる新しい観光列車を作るとか、ほかの鉄道会社さんと協力して行う企画なども検討しています」  依然として厳しい状況が続くが、それでもしっかりと先を見据えている鳥塚社長。今後のトキ鉄から目が離せなさそうだ。 【プロフィール】 鳥塚亮(とりづか・あきら) 1960年、東京都出身。外資系航空会社職員、いすみ鉄道社長を経て、’19年にえちごトキめき鉄道の公募社長に就任。NPO『おいしいローカル線をつくる会』顧問。著書に『ローカル線で地域を元気にする方法』(晶文社)など。 <TEXT/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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