みんなでやれば「野宿」も立派な趣味になる?

◆野宿 寝袋代 980円
ダンボールでの代用も可能

【加藤千晶さん・29歳・介護福祉士】

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 加藤千晶さんの趣味は、野宿。若い女性としてはかなり異色だ。

「そもそもは高校時代、青春っぽいあてのない旅に憧れて、女友達と2人で50日間の徒歩と野宿での本州縦断を計画したんです。青森を出発して下関までの予定だったんですが、友達は新潟で嫌になって帰ってしまい(笑)。そこからは一人旅でしたが、意外とやれるんだとハマっちゃったんです」

 大学時代もこうした旅を続けたが、社会人になるとさすがに旅仲間もいなくなる。そこで、野宿のミニコミ誌『野宿野郎』を作り、都心での宴会野宿を企画するように。

「公園で宴会をして眠くなったらそのまま寝る。解放感があるし、終電を気にすることもない。時間とお金をかけて遠くに行かなくても、十分楽しめる。最近は花見野宿、年越し野宿などを年5回位と、飲み会後の”3次会野宿”もします。でも、メインは飲みではなく、あくまでも”寝る”こと」

 野宿に必要なものは寝袋とマット。マットが意外に大事で、空気でふくらますタイプが便利だというが、こうした装備がなくても、「同じ大きさの段ボールを連結しても快適」だとか。

「場所はホームレスの方が住む大きめの公園がオススメ。小さな公園や整備の行き届いた場所に大勢で泊まると、近所の方に驚かれるので。ただホームレスの方は寝るのが早いので、配慮は必要です」

 一人のときも、静かな場所よりホームレスがいるような人目があるところが安心だとか。女性一人で野宿なんて心配にもなるが、今まで危険な目にあったことはなく、「寝袋にすっぽり入ってしまえば性別はわからないし、荷物は足にゆわえてその上に足をのせると安全」なんだとか。にしても、そこまでして、野宿をしなくても……。

「自分にとっての原点はやはり旅での野宿。”今晩どこで寝るか”がメインイベントで、その過程のすべてを楽しむ感じです。知らない土地にたどり着いて、人と出会って親切にされたり、思ってもみない場所で無事、朝を迎えたり……。例えば、側溝で寝たときは、人間はこんな場所でも眠れる!と感動したし、駅のトイレで寝たときは、鍵がかかり屋根も壁もあって、『ホテルか!?』と衝撃でした」

 加藤さんにとって、都会の野宿はあくまでも旅の縮小版。

「行ったことのある公園でも、一晩過ごすと知らない一面が見えてくる。正直そんなによく眠れないし、暑さ寒さに、雨や虫も不快。でも眠れなくても死ぬワケじゃないし、蚊との攻防を楽しむような気持ち。そんなときのほうが、案外記憶に残るものですよ」

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東京・お台場の公園で仲間たちと”宴会野宿”。
木や建物の側など、拠り所を求めてしまうとか

― [ゼロ円・趣味道]の極め方【2】 ―




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