更新日:2020年05月09日 12:01
ライフ

エスカレートする“自粛警察”。帰省したら町内会長に通報…の怖さ

コロナ疎開ではないのに…帰省すると町内会長に“通報”があった

田舎 東京都在住の会社員・牧貴之さん(仮名・40代)は、例年4月の後半ごろから茨城県で専業農家をしている実家に帰省し、田植えの手伝いをしていた。両親は高齢のため、すべての作業は任せられないし、牧さん以外の親族はずっと遠方にいるため帰省もできない。  やむを得ず、今年も牧さんと中学生になる息子の二人で帰省した。それは、コロナ感染を逃れるために都会から自然の多い地域に避難する“コロナ疎開”とは似て非なるものだ。  しかし実家でくつろいでいると、やってきたのは馴染みの町内会長だった。 「近くの住人から町内会長に“通報”があったと言うんです。家の前に東京ナンバーの車が駐まっていると。遊んでいるわけでもなく、農業のための帰省ですよ? 町内会長も『理解はしているがクレームがあったから一応』と苦しげな面持ちでしたが、地元がこんなに冷たいとは思わなかった」  近くには、数年前まで横浜市内に暮らし、Uターンしてきた牧さんの友人も住んでいる。 「友人の車は今も横浜ナンバーで、やはり同じように町内会の人間ががやってきたそうです。普段から駐めているのになぜ、と嘆いていましたよ。テレビで他県ナンバーが差別されるなんてやってましたよね、まさか自分がそういう目にあうとは……しかも地元でね」  コロナ収束の目処が見えないことから、不安が大きくなり、他人の行動がいちいち気になってしまうのは人間の性なのか……。しかし、その正義感が暴走してしまわないことを願う。<取材・文/森原ドンタコス>
1
2
おすすめ記事