被災地の家族を養うために働くホームレスキャバ嬢
震災により職と家を失った者、復興特需に沸く被災地で仕事を得ようと移住したが、雇い止めにあった者など。今、被災地では「震災ホームレス」なる新たな問題が浮上している。容赦なく襲いかかる東北の過酷な冬を、彼らは乗り越えられるのか。被災地で路頭に迷った者たちの現状をリポートする!
深夜3時の仙台国分町。大きな紙袋を引きずりながら高いヒールで歩く若い女性。岩手県出身のM美(21歳)は、2か月前からネットカフェで寝泊まりしながらキャバクラで働いている。家はない。
「父親が勤めていた水産加工会社が震災の影響で倒産しちゃって。高校生の弟と小学2年生の妹を食べさせないといけないから。実家から通える範囲にはまともに稼げる仕事はないし、父の再就職が決まるまでは、ここで稼いで仕送りしないといけないんです」
週4日出勤で日給は1万2000円。しかし、震災の影響で客足もまばらで早上がりにされることも多く、月収は18万円に満たない。その中から12万円は仕送りしているため、マンションを借りる余裕はないという。
「店の寮は私みたいな事情のコたちでいっぱい。寮代ももったいないし、ネカフェも時間ごとにお金取られるから、いつもギリギリ眠くなるまではマックとかにいる。早く昼間に短時間でも稼げる仕事を探したい」
そう言い放ち、彼女は冷たい風が吹きすさぶ暗闇へと消えていった。
― 激増する[震災ホームレス]は越冬できるのか?【3】 ―
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