同業からも排除される震災ホームレスたち

震災により職と家を失った者、復興特需に沸く被災地で仕事を得ようと移住したが、雇い止めにあった者など。今、被災地では「震災ホームレス」なる新たな問題が浮上している。容赦なく襲いかかる東北の過酷な冬を、彼らは乗り越えられるのか。被災地で路頭に迷った者たちの現状をリポートする!

 7月28日付河北新報によると、現地では震災後、悪質な手配師も横行している。記事によれば、「飛び込みで働ける」と言われ契約を結ぶと、作業道具などの名目で13万円を請求されたり、不当に安い賃金で働かされたりといった被害が報じられている。

 先の仙台駅西口にいたホームレスのAさんによると、こうした悪質手配師によって路上生活に転落させられた人もいるという。

「手配師に騙されて、タコ部屋に入れられたんだが、逃げてきたという人がいた。寮があると信じて仮設住宅も引き払ったので、帰るところがないんだって嘆いていたよ。かわいそうに」

 ちなみに、前出の健康福祉局健康福祉部社会課によると、一度自主的に仮設住宅を出た人は、再入居できないのだという。

◆同業からも排除される新参ホームレスたち

 仙台駅から地下鉄に向かう地下通路のベンチに一人腰をかけていた40代のBさんにも話を聞くことができた。ホームレス歴2年という彼は、「震災後にホームレスが増えたか」という質問に、うんざりした顔でこう答えた。

「俺らは、仲間内でルールを決めて他人さまにできるだけ迷惑をかけないようにしている。例えば地下道で寝るのは午後11時以降だけ。朝5時には起きて出ていく。でも新参者はそんなルールを知らないし、教えてやっても守らないから困るんだよ。東北でホームレスやるなら、絶対に屋内から追い出されちゃいけねぇんだ。この寒さで凍死しちゃうからな」

 それにしても、AさんにしろBさんにしろ、仙台のホームレスたちの身なりがきれいなこと。これも追い出されないための彼らなりのルールなのだという。

「こうしたルールの守れないヤツや、寒さに耐えられないヤツは南に行ったね。とにかくこの寒さのなか、路上にいきなり放り出されたって、素人には耐えられるわけねぇんだ」(同)

 東北の路上生活は、新参者には過酷な環境。彼らの厳しく長い冬はまだ始まったばかりだ。

― 激増する[震災ホームレス]は越冬できるのか?【2】 ―

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