コロナで来年まで“入社延期”の新入社員、バイトもできず金銭面で不安…
新型コロナウイルスの猛威は国内外の経済に大きなダメージを与えている。すでに有名企業が破産申請するなどその状況は深刻さを増している。そして、こうした経済の落ち込みは学生にも影響を及ぼしている。ある女性は、今年の春入社予定だった会社から“入社延期”の連絡を受けた。
塩谷遥さん(仮名・20代)は、昨年8月に東京のクリエイティブ関連の会社から内定をもらった。
「専門学校に入ってから見つけた自分のやりたいことだったので、内定を頂けてすごく嬉しかったです。本当に楽しみでした」
この春、専門学校を卒業。東北地方に住んでいる塩谷さんは上京の準備のためアルバイトも辞め、引越し業者に見積もりなどを頼んでいた。
学生時代に思い描いた「好きな場所で好きなことをして働く」という夢。まもなく憧れの社会人ライフが訪れようとしていた。想像しただけで胸が高鳴った。そんな矢先、緊急事態宣言が出されたのだ。
「本当に5月入社できるのかな」
不安になった塩谷さん。4月中旬になっても会社からは連絡がなかったので、新型コロナは入社には関係ないだろうと思いつつも、念のため確認をしようと連絡を入れた。すると企業から思いがけない言葉が……。
「『5月半ばの入社になりそうです』と言われました。会社の方からは『命優先なので』というふうに説明を受けました」
もしもこちらから連絡していなかったら、いつ連絡するつもりだったのか、などの疑問はあったが、「命優先」という言葉でひとまず納得することにした。世界的に感染が拡大しているこの状況下では仕方ないとも感じていたからだ。
ゴールデンウィークに入り、数週間後に迫る入社に向け気持ちを切り替えて準備を進めていた時、会社から連絡が入った。てっきり入社の段取りなどの連絡かと思い内容を確認した。しかしそれは予想外の連絡だった。
「それは『年内入社は難しい』とのことでした。コロナで全くめどが立たないということだそうです。本当に呆然としました。収入どうしよう……って」
年内入社が難しいかもしれない、と連絡があったものの、それは確定ではないとのこと。もしかしたら2、3か月で入社になるかもしれない。入社時期がはっきりしないため、アルバイトをするにもできない。まさか自分がこんな状況になるなんて、想像していなかった。
コロナという不測の事態に、小さな会社ならば仕方がない部分はある……そう言い聞かせていたが、現在も入社のめどが立っていないという。本来なら今頃は“新入社員”としてバリバリ働いている予定だった女性が苦しい心境を吐露する。
コロナで入社延期、現在もめどが立たず…
1
2
5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ