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紗倉まな、AVデビューから8年…著書『春、死なん』に込めた意味

生きることは死ぬこと 死生観のベースは仏教

 浮世をはかなむ桜の歌人と、時空を超えて共鳴した。さらに本作では「死が恐怖でもあり願望になった」など死に関する記述も数多く見受けられる。 「死ぬことは生きることの延長で、生が死を内包しているのだと普段から考えているんです。生きる上での選択肢のひとつに死があるというか。私が通っていた小中学校は仏教校で、授業でも脳死を扱うなど死を身近なものと捉えていた影響もあるのかもしれませんね。  もちろん環境や年齢によって人の考えや気持ちは移ろい変わっていくものなので、私が今、確かに思っていることも、数年後は変わっているかもしれない。でもそんな不確実な部分も楽しんでもらえたら嬉しいです」  紗倉まなの新たな才能は、文学界で大きく花開いている。 【紗倉まな】 ’93年、千葉県生まれ。’12年、高専在学中にSODクリエイトから専属女優としてAVデビュー。著書には瀬々敬久監督により映画化された初小説『最低。』、『凹凸』、エッセイ集『働くおっぱい』(すべてKADOKAWA)など。’17年からニュース番組『AbemaPrime』(AbemaTV)にコメンテーターとして出演し、現在は金曜レギュラーを担当 取材・文/アケミン 撮影/加藤 岳
週刊SPA!をはじめエンタメからビジネスまで執筆。Twitter :@AkeMin_desu
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春、死なん』紗倉まな(講談社刊、1540円)

文芸誌『群像』に掲載された「春、死なん」、「ははばなれ」の2編を収録。「老人の性」と「母の性」をテーマに、社会問題化する高齢者の性を現役AV女優が生々しく描く
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