Amazonの嘘レビューにダマされないコツ。サクラを見抜くプロが解説
今やネット通販は我々の生活に欠かせないものとなった。そのなかでもAmazonは代表格と言えるだろう。商品を比較検討する際、ほとんどの人が“レビュー”を参考にするはずだ。しかしながら、「高評価がたくさんついていたのに、買ってみたら期待はずれだった」という経験はないだろうか。
そのウラにサクラ業者の存在を指摘するのは、「ぶっちゃけ面接官」というサイトを運営するユウ氏(Twitter:@mensetukan_yuu)だ。
ユウ氏が開発した「サクラチェッカー」は、購入を検討しているAmazonの商品ページのURLや文言をコピペするだけで、その商品の怪しさを判定。「合格」「危険」で教えてくれる仕組みだ。
今回は、そんなサクラを見抜く専門家であるユウ氏に、Amazonで怪しい商品を掴まされないコツについて聞いた。
そもそもユウ氏がサクラチェッカーを開発しようと思ったきっかけは、自身がAmazonで商品を購入した際、サクラ業者のレビューに騙された経験だった。
「なかには1000件以上レビューがついている商品もあります。以前は読むのが面倒だったこともあり、合計点数といくつかのレビューだけ見て購入しました。しかし、ほとんどのレビューで最高値の5点がついていたワイヤレス充電器がぜんぜん充電できなくて困ったり、USBディスプレイアダプタが3日で壊れたり……そんな出来事が続き、Amazonの商品に書かれているレビューが信じられなくなってしまいました」(ユウ氏、以下同)
ユウ氏は、ここ1~2年で特に失敗する確率が高くなったと感じていた。そこで、SE(システムエンジニア)として開発経験が豊富だったことから「もっと簡単にレビューを判断できる仕組み」を開発したという。
前述のとおり、サクラチェッカーは商品名やURLを入力するだけで、「危険」や「合格」と教えてくれる。では、実際にサクラチェッカーはどのような軸で判断しているのだろうか。大まかには、次の6項目によって見分けているそうだ。
①価格&製品:異常な値引率、商品名など
②ショップ情報&地域:発送地域や電話番号の不掲載など
③ショップレビュー:急激なショップレビューの悪化(最初に不正レビューの高評価を自作自演でやっていたが、その後に被害者が悪評価をつけた)
④レビュー分布:自然ではないレビュー分布(評価が1と5で極端に割れている)
⑤レビュー日付:日付が偏っている(サクラのバイトを募集していた期間に、集中的にレビューがついた)
⑥レビュー:本文の日本語がおかしいなど
「これらのパラメーターに5種類以上の詳細パラメーターを設定し、さらにその詳細パラメーターにおいても10段階程度の判定基準を持っています。そうすることで、個人の好みよりもレビューの自然さ、不自然さを分析できるようにしています。また、詳細はお伝えできないのですが、一部に機械学習(AI)の仕組みも入っています」
消費者がなんとなくレビューを眺めているだけでは判断しづらいことも機械的に分析してくれるというわけだ。ちなみに、我々が目視で(サクラチェッカーを使わずに)Amazonの商品ページを確認する際には、どのようなことに気を付けるべきなのだろうか?
「ひとつひとつ見るのであれば、『写真に加工が施され、過度な演出があるもの』や『タイトルが異常に長くメーカー名が入っていないもの』は規約違反の可能性が高いので要注意。もちろん、Amazonには細かい規約があるので、販売者がルールを理解せずに出品しているケースもあります。しかし、これらを意図的にやっている販売者は、サクラを雇ったり自作自演レビューしたりすることが多いです」
商品の写真に広告さながらの“デザイン”がされていたり、タイトルにSEO目的(検索に引っかかりやすくするため)の単語が多用され、非常に長くなっているものも見受けられる。だが、ユウ氏によれば、それらは怪しいとのこと。
「また、評価の分布に偏りがある商品は怪しいです。特に両極端に1と5だけに評価が多いものは典型例。5のサクラレビューで騙したあとに被害者が1をつけるため、両極端になってしまうというわけです。
また、レビュー本文の『日本語がおかしいかどうか』も以前はチェックポイントでした。たとえば、『わたしはこれを大変好きでこれがあなたのために役立つとわたしは信じます』のような文章は明らかにヘンですよね。外国人のサクラを雇ってレビューを書かせているわけです。しかし最近は巧妙になってきているため、見破りづらくなってきています。
おかしな日本語のほかにも、レビュアーのプロフィールを見て、同じような商品ばかりに5を付けてないかなどがチェック項目としては挙げられます」
Amazonで怪しい商品を見分けるポイント
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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