更新日:2020年06月06日 12:10
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Amazonの嘘レビューにダマされないコツ。サクラを見抜くプロが解説

巧妙化する悪質業者の手口

サクラ

写真はイメージです

 とはいえ、本当に善意の外国籍の方がAmazonで商品を購入し、日本語でレビューを書く……といったこともありえなくはないと思うが、やはり「日本語が怪しいレビュー=危険」と判断すべきなのだろうか? 「基本的に日本語がおかしかった場合は怪しんだほうがいいですが、厳密にはその方の過去レビューなども確認するべきです。  その商品の1件だけのレビューではないか、偏ったカテゴリに投稿してないか。もっとも最近は巧妙化しており、日本人のサクラを雇うパターンもあるので、日本語の正しさからだけではわからないことは多いです。サクラチェッカーを使えば、そこらへんも一発で見抜きます」  やはり、日本語が怪しいかどうかだけではなく、総合的に判断しなければならないということだろう。軽い気持ちで目についたレビューの高い評価のものをテキトーに購入しては騙されてしまいそうだ。ちなみに、ユウ氏がこれまでに見た最も巧妙な手口とは? 「“ASINの使いまわし”です。ASINとはアマゾンの製品コードですが、具体的には次のようなやり方です。 ①まずは利益目的ではなく、安い商品を売って、あくまで本当に高評価レビューを獲得する。サクラを募集せずとも、日本人の純粋なレビューがつきます。 ②次に、ASINを同じままにして、そのページで販売している商品をすり替えます。全く違う製品画像を掲載し、製品説明も変えてしまうのです。たとえば、最初はキーホルダーでレビューを集めて、その後に扇風機を売る。 ③すると、扇風機はAmazon検索でもレビューが高いため上位に表示されます。レビュー総合点だけを見てレビューの詳細を見ていないユーザーは『こんなに点数高くて他と比べて安いなら即買いだな!』とポチッてしまうわけです。  この手順で製品ページを作られてしまうと、総合点だけで判断する人は騙されてしまいます。レビュー詳細を見れば違う商品のことをレビューしていることから判別できるのですが……。安くて良い商品が欲しい消費者の心理をいやらしくついてくる手法ですね」  Amazon側も怪しい商品を削除していたりするようだが、ユウ氏の話から、最近はサクラ業者の手口も巧妙になっており、かなり細かいところまでチェックしなければ見抜けないということがわかった。こうしたサクラレビューは、実際どんな商品に多いのだろうか。 「比較的製造しやすいものに多いです。たとえば、イヤホン、モバイルバッテリー、パソコン周辺機器、ゲーム周辺機器、美容系家電、折りたたみ傘、枕など、多岐に渡ります」  こうした悪質業者が増えていることから、特に高額な商品を購入する場合には注意深く吟味した方が良さそうだ。「サクラチェッカー」のようなサイトを活用しつつも、購入前にはしっかりと商品ページやレビューなどを自分の目でも確認し、騙されないようにしたい。<取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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