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京都の夜の街は壊滅状態…営業再開に常連客からクレームが

営業を再開するもクレームが…京都・祇園は壊滅的な雰囲気

花見小路通り

祇園・花見小路通り

 筆者は現在、ホステスとして祇園のスナックに勤務している。店は3月末から休業していたものの5月に入って閉業が決まり、賃貸契約が切れる6月末まで一時的に営業を再開した。しかし、営業再開と閉業の知らせをSNSに載せたところ、常連客から店にクレームが入る事態となった。 「こんな時期に客を呼ぼうだなんて、何を考えているんだ」  クレーム主については明かされなかったが、内容としてはそういったものだったと伝えられた。もちろん、東京・歌舞伎町でクラスターが発生した事案を鑑み、「閉店するので、もしよければ……」程度の投稿文であったものの、店の告知をすること自体を嫌う人がいたようだ。  営業を再開しても1日の来店者数は1人か2人。まったく客が来ない日もあり、閉業作業のついでに営業している状態だ。  働いていると周りの店の状況も耳に入ってくる。祇園で大きな影響力を持っていた老舗のクラブが閉店を決め、自社ビルを売りに出したとの情報が流れてきた。「あそこがダメなら、もう街全体がダメだ」。同業者の間ではそうささやかれている。  昼の街に活気が戻りつつある中、夜の街は衰退の一途をたどっている。夜の人間にとっての「元通りの日常」は来るのだろうか。<取材・文・撮影/倉本菜生>
福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0
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