入っても資格が取れず!? “ロースクール難民”の悲劇

【ロースクール】 入っても資格が取れず!? ”ロースクール難民”の悲劇 「入学者の6割が司法試験に合格できる」。 ’04年の法科大学院(ロースクール)制度創設時に掲げられたこの謳い文句に対して、「あれは国家的詐欺ですよ」と憤るのは、中央大学法科大学院を3年前に卒業した北川昌夫さん(仮名・29歳)。卒業後はフリーター生活を続けながら、弁護士を目指して浪人中だ。 「当初、ロースクールは『入学すれば資格が取れる場所』と言われていました。でもその後、全国にロースクールが乱立して入学者が激増し、合格率は6割どころか半分の3割程度に。今となっては、なんで司法試験を受けるために大学院に通うのか謎ですね」  数百万円の学費に最低2年の歳月を費やしても、7割が不合格とはなんとも非効率。「詐欺」と呼びたくなる気持ちもわかる。 「一番許せないのは、新司法試験の導入で、試験は卒業5年以内に3回しか受験できなくなったこと。試験に3回落ちたら、これまで費やした学費も年月も受験資格も全部パアになる”三振”制度なんです。なかにはもう一度学校に入り直して受験資格を狙う人もいますが、ほとんどは金銭的理由で諦めざるをえません。実際、私も学費やら生活費やらで、800万円も借金していますし……」 “三振”した頃は30歳手前で、資格も実務経験もなし。就職しようにも圧倒的に不利な状況に。 「三振した受験仲間には、就職できずにフリーターになる人も多い。どうせダメなら中途半端に年数やお金をかけさせず、入学時の段階で合否をつけるシステムにしてほしかった。そしたら、私も早く試験への見切りをつけて、今頃は普通のサラリーマン生活を送っていたかもしれないのに……」  新司法試験制度に移行して4年。今、”ロースクール難民”が生み出されている。 ― 学歴大論争 [日本型エリート教育]の大間違い!【2】 ―
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