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「新宿」「夜の街」は悪なのか…コロナハラスメントの被害者続出

「新宿に住んでいる」というだけで周囲から白い目

コロナハラスメント そんな “コロナハラスメント”の被害を受けているのは、夜の街の人だけではない。  新宿に5年住んでいるというOLの朝未さん(26歳・仮名)は、「最近は、自分が新宿に住んでいることが嫌でたまりません」と言う。  朝未さんは都内近郊の美味しい物が好きな女性10人程度で毎月1回、良いお店で贅沢をする“美食会”を3年続けている。だが、3月からコロナの影響で中止を余儀なくされてしまったそうだ。 「情勢を考えて『落ち着くまではお休みにしよう』ってことになったんです。それで、5月末に緊急事態宣言が一応解除されたこともあって『復活しようか!』という話になったんです」  不幸中の幸いか、コロナの影響で今まで全く予約が取れなかった店の予約が取れた。とても楽しみにしていた朝未さんだったが、1通のLINEが届く。 「グループの中でいちばん仲が良い子から『朝未って新宿住みだけど、 コロナ大丈夫かな? 無症状の人多いらしいからさ』って。私が西新宿と中野坂上の間に住んでいて職場が六本木。そして酒好きなこともあって、自覚症状がないだけでコロナだと思っているんでしょうね。  ナイトクラブ的な場所は全く行ってませんし、飲んではいますがちゃんと密をさけた店にしか行っていません。そもそも6月まではテレワークで、引きこもっていました。毎日体温をはかっていますが、平熱をこえた日もないんです」  しっかりと対策をしていた朝未さんだが、“新宿に住んでいる”というだけでコロナを疑われてしまうことも誰かを不安にさせてしまうことも嫌だと、しばらく美食会を休むことにした。だが結局、それは中止となってしまう。その理由とは? 「幹事の子が働く会社でコロナが出てたらしいんです。さらに彼女は濃厚接触者だったことが判明。勤務先は都内ではありますが、新宿区以外です。新宿が危ないと報道されがちですが、ニュースをふわっと見て“新宿に行かなければ大丈夫!”とか“新宿の人と会わなければ大丈夫!”なんて油断してしまう人が増えなきゃいいですけど……」  筆者も新宿住まいだが、前までは“新宿に住んでる”というと『便利でいいね!』などと言ってもらえることが多かった。しかし今では『新宿なんかに住んでいて大丈夫?』と白い目で見られることもある。地方の実家には帰れず、いきなり引っ越しも出来ない。いったい、新宿住みの人間はどうしたらいいんだろうか――。<取材・文/吉沢さりぃ>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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