コロナ禍で注目度が高まる戸建て住宅。失敗しない物件の選び方とメンテ代は?
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、集合住宅よりも感染リスクが少なく、部屋数も多くなりテレワークもしやすくなるなどの理由から、値段も安い中古の戸建てへの関心が高まっています。でも、戸建ては欠陥住宅も多い、リフォームも大変、資産価値もすぐなくなると聞くし……と不安を持っている方も少なくないのでは。
そこで今回、『あなたの持ち家が危ない』(アスコム)を発刊した一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会理事で、ウィズリフォーム代表の山下隆盛氏に「失敗しない戸建て中古住宅の選び方とメンテナンス法」をお聞きしました。
外見がキレイとか内装が素敵とか、それぞれ家を選ぶポイントはあると思いますが、一番大事なのは、家の構造部分(はりや床、柱)がしっかりしているかどうかです。いくら内装がきれいでも、最新のキッチンでも、この構造部分がボロボロだと、雨漏りの心配や災害で家が壊れる心配があり、資産価値としては低い建物だと言わざるをえません。
そして、それがしっかりしているかどうかを見抜くのがインスペクションです。
専門の業者が、国の定めたガイドラインに従って、家に不具合がないか調べる。言うなれば、家の健康診断です。2018年に「改正宅地見物取引業法」が施行されてから、中古住宅の売買の契約を結ぶ際、仲介業者は売り主と買い主の双方にインスペクションについての説明をすることが義務づけられました。必ず、買う場合は、インスペクションの有無、その結果を聞いてください。もしごまかすようなそぶりを見せたら、その物件はやめた方がいいでしょう。
もう一つは、外壁がサイディングであり、なおかつ2005年までに建てられた一軒家だった場合、「直張り工法かどうか」は必ず聞いてください。簡単に説明すると、直張り工法は湿気が逃げにくく、構造部分が痛みやすい工法で作られた家です。「家の2000年問題」と私は呼んでいますが、特に外壁の施工の規定が変わる2000年まで、そして最悪、2005年までに普通に行われていた工法です。
直接、「壁はサイディングですか?」「直張り工法ですか?」と尋ね、湿気が逃げやすい「通気構法です」と言われればその心配がありません。
新築の場合は、リフォームと違いしっかりとした設計ができていれば、その設計図面通りに施工をし、仕上げることがポイントとなります。工務店の機能は、家をつくるための施工とその施工を管理する仕事になるのです。現場監督が施工をきちんと管理し、大工さんや職方を上手く動かすことにより良い家ができるのです。
チェックポイントは2つです。
1つは、自社施工もしくは、専属の大工さんがしっかりといるかです。自社で施工は、大工さんが社員として働いているので常時監督と連絡をとり家つくりをしているはずです。いろいろな大工さんが出入りすると品質管理がとても難しくなります。
もう1つは、「検査の資料は写真付きで見せてほしい」、もしくは「できれば、重要なところは立ち合いたい」と頼んでみること。ここで戸惑うようなら、あまりおすすめできません。また、第三者が建築中の家を確認する「建築途中検査」というものもあります。万全を期すのであれば、そういったものを利用するのもよいでしょう。
長持ちする中古物件を見抜く2つのポイント
欠陥新住宅をつかませられないために

1
2
【関連キーワードから記事を探す】
「資産価値が減っていく家」一級建築士が“豊かに暮らす”6つのポイントを伝授
「ローン完済後に無価値になる家」とは。一級建築士が指摘する“残酷な現実”
「電気代が必ず高くなってしまう家」一級建築士が警告する“致命的なリスク”
200万円の家を1180万円で売却。不動産投資のプロが語る「買ってよかった」物件
台風シーズン到来、あなたの家は大丈夫? ヤバイ家がわかるチェックポイント
家の駐車場を“一面の”砂利やアスファルトにしてはいけないワケ。「タイヤ痕が残らない」駐車場の作り方とは――仰天ニュース特報
年収500万円世帯はもはや“中流貧民”…家を買える限界のエリアを試算してみたら、侘びしい結果に
1000万円以下、相場の半値で買える一軒家も!専門家が教えるお得な“ワケあり物件”を買う方法
子供部屋で勉強するのは日本だけ…一級建築士が指摘する「日本の子供部屋がネガティブな影響を及ぼす」理由
都心マンションが高騰する今、どこに住むのが正解?プロが「おすすめの地域」を紹介
平日はお互いに極力関わらない「週末婚」を希望する女性が増加傾向。いまだに存在する「家事労働の夫婦間格差」が背景に
金利上昇で住宅ローン地獄が始まった!返済が数百万円アップもザラ……家計を見直すならどこから?
2軒目の住宅を購入しようとするときに落とし穴が…!? 「住み替え」を諦めなくてもいい新サービスが続々登場
人気FPが伝えたい「いちばん大切なお金の守り方」。タイパ思考だと“基本的な知識”を得られない
「月1万3000円だった修繕積立金が2万8000円に値上げされた」富裕層が値を吊り上げ、業者はステルス値上げ。ローン利率上昇に悲鳴!
この記者は、他にもこんな記事を書いています