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『有吉の壁』でスベリ倒す、とにかく明るい安村の姿に勇気づけられる

『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』を思い出す

 しかし、この番組で披露した「TT兄弟」が大ブレイクしたチョコレートプラネット、シソンヌ、パンサーの尾形以外の2人(笑)など、「裏を食っていない」正統派の芸人がいるからこそ、スベリ芸人たちが自由に振る舞えるのだ。あまり知らなかったトム・ブラウンの実力も知った。毎回きっちりと笑いをゲットする。そしてジャングルポケットだ。彼らは老人ホームから学園祭、そして海外と、どこに行っても笑いが取れるだろう。斉藤の学生時代のいじめ体験の告白を読んでから、彼らの練習量を感じさせる、研ぎ澄まされた動きのコントに、さらに凄みを感じる。
「有吉を笑わせろ」という、いわばむちゃぶりに、毎週毎週、見事に応えていく、これら若手芸人たちの力量と、その数に驚く。数年前に、お笑いブームというものが確かにあり、夢を持った多くの若者が集まり、アンダーグラウンドの修行の場で、激しい組み手を行ってきたのがよくわかる。勇気づけられるのは、安村だけではなく他の芸人たちにもである。  若手芸人が大挙出演する『有吉の壁』は往年の『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)を思い出す。関西色が薄いお笑い番組は久々に感じられ懐かしくて嬉しい。さらにドッキリのような苦々しさが残るような笑いではなく、ひたすらアホらしいのも晩御飯を食べながら、ビール飲ながらにぴったりで、とてもありがたい。若手芸人たちも生き生きとして見える。こんなお笑い番組らしいお笑い番組はいつぶりであろうか。つーか、この手の番組が再び復活するとは思ってもみなかった。  また、芸人たちだけではなく有吉とともにMCを務める佐藤栞里が闊歩するときに自然に出てしまうモデルウォークの優雅さにも注目だ。ファニーな顔と愛嬌のある笑顔で見落としていたが、こんなに顔が小さくて手足が長い日本人はそうそういない。改めて彼女のルックスの良さに気づく。あんまり可愛いのでインスタをフォローした次第である。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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