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電気代が上がるエアコンの使い方。冷房と換気の両立は難しい?

夏

連日危険な暑さが続くコロナ禍の夏(写真はイメージです、以下同じ)

 長い梅雨が明け、夏がやってきた。猛暑という長期予報が出ているが、例年とは違うコロナ禍の夏。これまで小さな飲食店は、窓やドアを開けはなって3密のうちの「密閉」が生まれないように務めてきた。しかしそれでは、冷房が効かず死亡リスクの高い熱中症の患者を出しかねない。  果たして換気と冷房の共存は可能なのか? 空気の専門家であるダイキン工業株式会社の重政周之さんに聞く。

換気と冷房、共存は難しいが…

エアコン まず、窓やドアを開け放って換気をしながら、効率的に冷房をきかせる方法について率直に聞いてみた。 「効率的な窓開け換気ができているほど、冷房効果は損なわれるため、ドアや窓を開けて換気をする場合においては、効果的な換気と冷房効果の維持を両立させることは困難ですね」(重政周之さん、以下同じ)  しかし、営業中にずっとドアや窓を開けっぱなしにしておく必要はないようだ。  重政さんいわく、「窓を開けて換気する際の目安は、1時間に10分程度と言われています。また、1時間に10分の換気を1回するより、5分の換気を2回した方が効果は高まります」という。  つまり常時開けっぱなしは『アピール』にはなるかもしれないが、冷房効果を必要以上に落とすことになる。  その上で、少ない時間でもより効果的に換気する方法については、「まず『対角にあるふたつの窓』を開けることが重要ですね。飲食店で窓を開けても風が通りづらい場合は、窓を開けた状態でキッチンのレンジフードを強めに動かすと換気のサポートになります」とのこと。

換気ができている基準?

 では、換気ができている/できていないという基準はあるのだろうか?  これについては「従来より、延べ床面積が3000㎥以上のビルでは『1人あたり30㎥』という換気量を満たすことが法律で定められていますが、新型コロナウイルス感染のリスク要因の一つである『換気の悪い密閉空間』を改善する目的で、現在はそれより小さな商業施設でも同様のルールを守って運営することが『推奨』されています」と話す。  国や自治体がはっきりとした指針を出さず、小さな飲食店は個別の判断が求められているような状況ではあるが、この換気量を守れば「法律」という根拠で、消費者の信頼を得られるはずだ。
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換気と冷房で電気代が上がるケースも
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