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杉良太郎、コロナ禍と時代劇を語る「日本のよき伝統は消えてしまったのかもしれない」

杉良太郎 スペシャルインタビュー_03_(C)時代劇専門チャンネル

(C)時代劇専門チャンネル

人間は自然に対して謙虚になるべき

 杉さんといえば、刑務所への慰問・視察をはじめ、特殊詐欺撲滅や肝炎対策の啓蒙活動、被災地支援など福祉活動に熱心なことで知られる。刑務所や老人ホームへの慰問は、実はデビュー前から行っていた。また、海外での支援活動も数多く、30年にわたるベトナムでの人道的支援では152人のベトナムの子どもを里子にしている。  昨今、日本では大規模な自然災害が相次ぎ、今回の新型コロナウイルスは世界中が打撃を受けた。杉さんはこの危機をどのように受け止めているのだろう。 杉:人生には危機が訪れることもあります。ダメかなと思うときもあります。  東日本大震災のときに、被災地を訪れた際にみんなが私に口々に語ってくれるんです。「津波で流されている間に、つないでいた旦那の手を離してしまった」「子どもがいなくなってしまった」って。  そういうときは、「頑張らないでください。頑張るのは私達ですから」と言います。  少年院へ行くときは、愛情の話をするんです。でも子どもたちは「愛情ってどんなものですか?」って聞くんですよ。少年院では愛情を与えられたことのない子どもがあまりに多い。私はその全員に「ずっと君を見るよ。見続けるよ」とは言えない。でも、一滴ずつでも愛情をそそぎたいと思っています。そうした気持ちを、いまの時代にささげる歌として「愛の一滴」や「神様への手紙」という曲にしました。  コロナ禍にあたっては、生活様式を変えなければいけないと思います。何かあったら誰かのせいにするのではなく、自己管理をして先のことを考える癖をつけないと。  志村けんちゃんとは、私がプロデュースした「鹿児島大地」という焼き芋焼酎を愛飲してくれていたご縁もあり、時々、私が作ったカレーを届けたりしていたけど。新型コロナなんかでやられてほしくなかった。悔しいですよ。だからこそしっかりした対策が必要だ、との思いがあります。  自然に対しても、もう少し人間は謙虚にならなくてはいけない。そして何より、子どもたちのために「ちゃんとした」世界にすること。子どもたちがその国を作ります。しかし子どもには力がない。大人が何とかしてあげるのは、当然のことです。<取材・文/日刊SPA!取材班>
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■時代劇専門チャンネル「~魂の男~杉良太郎祭り」9月21日スタート。「新五捕物帳」、「大江戸桜吹雪 八千両の舞」などの時代劇のほかに、昨年3月に国立劇場で開催したデビュー55周年記念コンサートや特別インタビューも放送される。
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