更新日:2020年09月17日 16:29
ライフ

「早く帰ってくるな」妻の在宅勤務で居場所がない40代夫、車にこもる毎日

気づいていない妻は意外と多い

 S木さんは諦めにも似た表情を浮かべ、最後にポツリと呟いた。 「先日、ついに大きな喧嘩をして自分の中で何かが切れてしまったんですよ。向こうはいつもの調子での叱責だったので、気づいてはいないでしょうが、すでに結婚指輪も外しています。このままいけば、離婚を選択するでしょうね」  S木さんの家庭同様、夫のフラリーマン化に「気づいていない妻は意外と多い」とフリーライターの亀山早苗氏は語る。 「こうした事例の場合、大抵の妻は家庭に非があるとは考えていません。しかし、夫側は『アンケート調査 Q3.家事・育児をしますか?』(※詳細は文末)からもわかるとおり、家事に協力していると思っている人が多いため、不満は溜まるばかり。そうなるとフラリーマンをやめることはないですし修復が難しくなります」  S木さんは今日も愛車という自分の殻の中に平穏を求めている。

漂流する会社員アンケート調査

※2020年9月1~2日、35~55歳の既婚者会社員男性3048人を対象に調査 Q1.家に帰りたくないと思いますか? YES 16.4% NO 83.6% 以下、YESと答えた方500人に聞きました Q2.家に帰りたくないとき、どう時間をつぶしますか?(複数回答可) ・会社の近く 37.6% ・車(ドライブ) 23.8% ・カフェ・ファミリーレストラン 18.2% ・ネットカフェ・漫画喫茶 13.2% ・居酒屋 11.6% ・ゲームセンター・パチンコ 11.2% ・公園 9.8% ・自室にこもっている 8.4% ・スポーツジム 8.0% ・その他 26.0% Q3.家事・育児をしますか? ・全くしていない 8% ・全面的にしている 17% ・ややしている 44% ・あまりしていない 21% ・ほとんどしていない 10% 「思いのほか、家事に参加している人が多いことがポイント。家事を放り出して外に出ているダメな夫というわけではなく、仕事だけにとどまらず家庭内でも忙しいという現在のサラリーマン像がここにある」(常見氏) 【社会心理学者・渋谷昌三氏】 目白大学名誉教授。”フラリーマン”という言葉を世に生み出した、『フラリーマンの心理を読む 帰る夫のつくりかた』の著者 【働き方評論家・常見陽平氏】 千葉商科大学国際教養学部准教授。雇用・労働、キャリアなどをテーマに調査研究を行っており、現在は執筆や講演を中心に活動中 【フリーライター・亀山早苗氏】 結婚、離婚、婚外恋愛、性の問題に取り組みながら、さまざまな立場の男女に20年以上取材を続け、的確な分析を行っている <取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!9月15日発売号の特集「漂流する会社員の肖像」より
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週刊SPA!9/22・29合併号(9/15発売)

表紙の人/ 日向坂46

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