エディ・ヴァン・ヘイレン追悼。最強ギターだけじゃない曲作り名人としての名作5選
④「(Oh) Pretty Woman 」
ジュリア・ロバーツ(52)とリチャード・ギア(71)の映画『プリティ・ウーマン』で、あまりにも有名な曲。オリジナルは、ロイ・オービソン(1936-1988 アメリカのロック歌手 その他の代表曲に「Only The Lonely」、「Crying」など)。 このオールディーズナンバーを、シャープでモダンなムードにするのは、エディのリズムギター。ソロを弾く時のようなアクロバットは鳴りを潜め、広がるようなコードの響きや、ビートの粒を立たせる低音のリフがシブい。全体を俯瞰するプロデューサー的な視点がうかがえる名演です。
⑤「Can’t Stop Loving You」
ヴァン・ヘイレン、最後のシングルヒット。使い古されたコード進行に、単純なエイトビート。埋草のような投げやり感が漂いつつ、ひとすじのきらめきが残る。明るい曲調とは裏腹に、しみじみしてしまう1曲です。 ちなみに、高橋克典(55)の「君を愛してる」という曲が、これにそっくりだと一部で話題になりましたっけ。これも、ヴァン・ヘイレンリスペクトってことで。
番外編 エリック・クラプトン「Tears In Heaven」とヴァン・ヘイレン「316」
驚くことに、その1年前、エディがよく似た小品を発表しているのです。アルバム『For Unlawful Carnal Knowledge』に収録された、およそ1分半のインタールード。ガットギターの優しい響きだけでなく、キーや使っているコードまでそっくり。
マンションからの転落事故で亡くなった息子に捧げたクラプトン、一方のエディも息子のウォルフガング(29 現在ヴァン・ヘイレンのベーシスト)がきっかけで「316」を書いたというのですから、ちょっと怖くなるぐらい。 クラプトンとエディ、両者のただならぬ縁について考えさせられました。 長い闘病生活の末、亡くなったエディ・ヴァン・ヘイレン。中学生時代、筆者も友人から1000円ほど拝借してライブアルバムを買ったのを思い出します。 でも、湿っぽくなるのは、ヴァン・ヘイレンっぽくない。これからも彼の残した楽曲とともに、思いっきり騒ぎましょう。 <文/音楽批評・石黒隆之>音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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