出口亜梨沙の悩ましショットが…/妄想デート撮「このあと、どうする?」
『週刊SPA!』の不定期の特集企画「妄想デート撮『このあと、どうする?』」。毎回、著名人に「理想の妄想デート」をテーマとした文章を書き下ろしてもらい、そのシチュエーションに合わせたグラビアを撮り下ろすというのが本企画のテーマだ。第11回目の今回は、今年テレビ東京にてドラマ化もされた漫画『来世ではちゃんとします』の作者である「いつまちゃん」が書き下ろした「妄想デート」を、グラビアアイドルの出口亜理沙が再現した。
見慣れない天井を見つめてるうちに何事もないまま朝になってしまった。
「終電ないならウチに来れば」と彼女に言われたのが確か深夜の1時半だから、おそらく日がさしてきた今は朝の5時頃だろう。
彼女とは大学時代からの仲だが二人きりで夜遅くまで飲むのも、家に招き入れられるのも初めてのことだった。不意のチャンスにずっと期待を膨らませていたのだが、仕事と元彼の愚痴を肴に、浴びるようにアルコールを摂取していた彼女は自宅に到着すると、クローゼットから取り出した夏用のガーゼケットを僕に手渡し化粧も落とさずベッドに倒れ込んでしまった。
クゥクゥと寝息を立てた彼女にガッカリしつつ、泣き疲れて眠る幼子のような愛らしさを感じる。普段気の強い彼女があんなに酒を飲む姿も、泣いている顔も初めて見た。
よほどストレスが溜まっていたんだろう。僕はモップを平たく伸ばしたような奇妙な絨毯に寝転び、寒さと床の硬さを感じて眠れないまま4時間もじっとしている。
寝心地の悪さと無防備に投げ出された白い脚を見て悶々とするも、良き友人として我慢の道を選ぶ自分をどこか誇る気持ちでいた。
朝の8時12分。どうやら数時間眠っていたらしい。彼女はシャワーと軽い朝化粧を済ましておりオーバーサイズのシャツを一枚着た姿で「よく眠ってたね」なんて笑いながらインスタント味噌汁にお湯を注いでいる。
どこか官能的な姿にドギマギしつつ、昨日より少し表情の明るい彼女を見て手を出さない男女の友情ってやつもいいかな……なんて晴れやかな気持ちだった。
身支度を済ませ見送られながら部屋を出るとき、ガチャン!という扉の音に紛れて「なんだ、していかないんだ」と、かすかに呟く声が聞こえた。
【出口亜梨沙】
’92年、大阪府生まれ。T160B88W60H85。’17年に開始したグラビア活動の傍ら、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』に出演。『バレンタイン・ブルー』や『おそ松さん』トト子役など舞台でも活躍している。ツイッターアカウントは@deguchiarisa
【いつまちゃん】
’92年生まれ。’18年から集英社『グランドジャンプ』にて連載中の「来世ではちゃんとします」がテレビ東京でドラマ化。性に奔放でセフレが5人いる主人公・大森桃江役を内田理央が演じた。ツイッターアカウントは@1256hima
<文/いつまちゃん 撮影/熊谷貫 スタイリング/田中あゆ美 メイク/米澤和彦>
彼女にこんな顔をさせる仕事にも、元彼にも、なぜか胸がくすぶった
充電が切れたかのように眠る彼女を横に感じて寝る夜は天国か、地獄か……
「後悔しない?」と尋ねる僕の手を彼女は「しないよ」と優しく引き寄せた
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