仕事

非正規雇用者のボーナス支給はアリかナシか。現場の声を聞く

「非正規」の仕事範囲や責任を明確にしてほしい

働き方改革 正社員の方が、非正規社員より仕事が多岐にわたり、職務の難易度も上がるというのも真実だろう。さらに、好きな仕事がしたい、子育てと両立させたい、他に夢がある、だから「あえて非正規を選んだ」という人たちも確かにいる。  都内の通信会社で事務職に就く派遣社員・友岡舞子さん(30代・仮名)が言う。 「給与の格差は仕方ないにしても、もう少し差が縮まってもいいのでは? と思っていました。もしもボーナスがもらえないのなら、非正規の仕事でとるべき責任をもっと明確にしてほしいですね。例えば、サービス残業の絶対禁止、職務内容はきちっと決めて、契約以外のことはする必要がない、などです」(友岡さん)  確かに、正規だろうが非正規だろうが関係なく、仕事は「できる人」に回ってくる。契約社員と言っても、正社員と同等の仕事を任される人もいたりして、一部の職場では不公平な状態がまかり通っているという事実もあろう。そういった人々は、本人が希望するのなら正社員に昇格されるべきだし、望まないのなら、正社員と同等の仕事はさせないか、それなりの報酬が上積みで支払われるべきである。前出の本田さんが話す。 「それが理想ですし、誰もがそう思ってますよ。でも、アメリカみたいに全部を契約契約でやってしまうと、日本的な会社は成り立ちません。もしそういう環境を目指すのなら、教育から全てやり直さないといけない。能力のある人もそうでない人も、お互い補い合って生活ができる社会だからこそ生まれる格差。この格差をなくしたら、国がもっと豊かでなくなる気がしますが」(本田さん)  様々な場所で「働き方改革」などと言われ、実際に労働環境が良くなった、と感じている人も少なくない。「金儲け」という理由だけで仕事を選ぶ人も減りつつあり、さらにコロナ禍の影響も受けるなかで「仕事」や「報酬」の価値観が大きく変わろうとしている。<取材・文/森原ドンタコス>
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