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ネット発のイカれた陰謀論「Qアノン」信者が増殖中「トランプは救世主だ」

共和党支持者の4割は、Qアノンの投稿を「いい情報」と

 2019年にアメリカ連邦捜査局(FBI)はQアノンについて「国内テロの脅威とみなすべき要素は揃っている」と結論づけ、フェイスブックは今年6月になってQアノン関連の投稿の削除に動き出した。それでも、信者の増殖は止まらない。
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 Qアノンの認知度を定点観測するピュー研究所でも、「Qアノンを知っている」と答えた人は今年3月時点で23%にすぎなかったが、9月初旬の調査では47%にまてで倍増した。75%の人がQアノンの書き込みを「いい情報ではない」と答えているが、共和党支持者に限ると、41%もの人が「国のためにいい情報」と答えている。  そもそも、トランプが「(Qアノンのことは)よくは知らないが、私のことを好きだということは知っている」として存在を受け入れているぐらいである。トランプがQアノンの投稿にツイッター上で200回近くも「いいね」していたことも明らかになっている。半ば“公認”されれば、トランプ支持者が取り込まれるのも仕方がない。

Qアノン信者の下院議員も間もなく誕生

 実は、Qアノン信者の下院議員も間もなく誕生する。今回のアメリカ大統領選と同時に実施される下院議員選挙で、信者のマージョリー・テイラー・グリーンがジョージア州第14選挙区の共和党候補指名を受けているのだ。グリーンが共和党予備選で党主流派を破った翌日、トランプはツイッターに「未来の共和党のスター」と投稿した。  このほか、2016年大統領選挙でトランプ陣営がロシアと共謀してヒラリー陣営にサイバー攻撃を仕掛けるなどの工作をした「ロシアゲート事件」をめぐって逮捕された元大統領補佐官のマイケル・フリンが、起訴の取り下げを求める活動のなかでQアノン信者にも寄付を募り、そのときQアノンに忠誠の誓いを立てている。 【関連記事】⇒“隠れトランプ信者”がカギを握る。トランプ劣勢でも逆転がありえる理由 <文/横江公美>
明治大学卒業後に松下政経塾に入塾。プリンストン大学、ジョージ・ワシントン大学で客員研究員を務めた。’11~’14年まではアメリカの大手保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」でアジア人初の上級研究員として活躍。’16年から東洋大学グローバル・イノベーション学科研究センターで客員研究員、’17年から同大学教授に。’16年に出版した『崩壊するアメリカ』でトランプ政権の誕生を予想するなど、アメリカ政治に関する著書多数。近著に『隠れトランプのアメリカ
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隠れトランプのアメリカ

コロナ感染から奇跡のカムバックでトランプが勝つ!?
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