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秋風邪でも「お前コロナか!?」 “コロハラ”上司が季節の変わり目にまた出没

季節の変わり目で体調を崩したら…

体調不良「10月に入り急に冷え込んだからか、後輩が体調を崩したんです。おそらく軽い風邪だったのですが、上司からコロナじゃないかと疑われ、コロナだったら会社で大事になるだろうと、後輩は病院にも行けませんでした。結局そのまま風邪をこじらせて肺炎になったんです」  大阪市内の貿易会社勤務・野坂浩司さん(仮名・30代)の上司も、コロナ禍を経て「神経質」になった一人。部下の体調不良を徹底的に疑い、感染していたとしたら自己責任、会社に迷惑をかける前に退職しろと、部下を徹底的に締め付けていたという。そのせいで部下が肺炎になったというのに、まるで意に介さないという態度を見せる上司。 「早く病院に行くように言ったのに、と上司が専務に報告をしていたのをみんなが聞いていたんです。有志で専務に事の顛末を報告。その後上司は、ショックで会社を数日休んでいますよ(笑)」(野坂さん)  このように「疑心暗鬼」になる人たちは、やたらと「PCR検査」にこだわる傾向もある。かつての検査が受けにくかった頃と違い、今では費用さえ出せば、民間のクリニックでも検査が可能だ。そのせいもあって、社員や部下に「PCR検査」を強要するような事例も出てきているという。

「陰性証明書」がないと…

「知人のクリニックでPCR検査を受けて陰性だった支店長が、陰性証明書を持って意気揚々と出社してきました。嫌な予感がしていたのですが……」  東京都内の住宅販売会社勤務・平本信二さん(仮名・40代)とその同僚や部下は、上司から有料のPCR検査を受けるよう「勧められた」というが、もちろん費用は自己負担。一応は「勧め」だが、受けるまで「会社に来るな」と暗に言われているようなものだと訴える。 「そもそも検査がどういうものか上司はしっかり理解していないようです。にもかかわらず、検査をしていない、陰性証明をもらっていないヤツはダメだ、みたいなことを言いだすんです。案の定、上司を慕う連中が陰性証明書を持ってきたところ、お祝いだと言って飲みに出かける始末。私も検査の予約を入れていますが、バカバカしすぎて」(平本さん)  いつどこで誰が感染してもおかしくない新型コロナウイルス。デリケートな問題だけに、神経質になる気持ちもわからなくない。とはいえ、あまりにもコロハラがひどく悩んでいる場合は労働基準監督署などに相談するといいだろう。<取材・文/森原ドンタコス>
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