仕事

Uber Eats配達員の恐怖体験。配達先でコワい男たちにツメられる

配達先でガラの悪い男に囲まれる

卓磨さん

京都でUber Eatsの配達員をする卓磨さん

 話題はウーバーの配達のことになった。卓磨さんによると、いちばん配達リクエストが入りやすいのは木屋町通りで、ここを根城にする配達員は多いという。 「ところで、ちょっと前に配達で嫌な思いをしたことがあって……」  しばらくして彼はそう話を切り出してきた。それは僕の気持ちを萎えさせ、京都で配達することに躊躇いを感じさせるには十分なものだった。配達先でヤクザのようにガラの悪い男3人に囲まれて凄まれたことがあるというのだ。  その理由というのが、お客さんに住所確認の電話を何度かかけたから。ただそれだけのことだった。

アプリに住所が正しく表示されないのは日常茶飯事

 ウーバーのアプリに配達先の住所がきちんと表示されないのは日常茶飯事であり(アプリのエラーなのかお客さんの入力ミスなのか原因はわからないが)、そんなときはお客さんに電話かメッセージで確認するしかない。そんなことでいちいち「なめとんのか、ワレ!」なんてことになっていたらとてもこの仕事はやってられない。  僕は今のところウーバーの配達でそのようなガラの悪いお客さんに当たったことは一度もなかった。配達に1時間以上かかってしまっても「ありがとう!」と言ってくれるし、配達中に商品のスープをこぼしてしまっても謝罪すれば「大丈夫ですよ」と笑って許してくれる。そんな心優しいお客さんばかりだった。  今までが運が良かっただけなのだろうか、それとも京都にはガラの悪い人が多いということなのだろうか……。僕は空になったラーメンの丼をぼんやりと見つめてふうッとため息をこぼした。  
小林ていじ

所持金3万円、Uber Eats配達員の仕事で旅費を稼ぎながら、東京から沖縄まで自転車で旅する筆者・小林ていじ

【32日目】 <支出> 食費:931円 <収入> 0円 残金:2947円 【33日目】 <支出> 食費:1904円 <収入> 4693円 残金:5736円 <取材・文/小林ていじ>
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
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