更新日:2020年11月12日 17:32
仕事

Uber Eats配達員の出稼ぎ旅、3日間のアカウント停止の「意味がわからない」

 僕は普段、日雇い派遣などの仕事で稼ぎつつ、時間を見つけてはタイなどの東南アジアを中心に旅してきた。この状況では海外旅行には行けそうにないが、日本国内ならば比較的自由に動けるようになってきている。旅がしたい。でも、社会の底辺で生きる僕にはお金がない。そこで「Uber Eats」の配達で稼ぎながら国内を自転車で旅するという方法をとることにしたのである。

登録都市の変更でアカウントの停止

小林ていじ

所持金3万円、「Uber Eats」の配達で旅費を稼ぎながら東京から沖縄まで自転車で旅する筆者・小林ていじ

 旅に出て29日目。この日は名古屋から滋賀県の彦根に向けて出発する予定だったのだが、あいにくの雨。ゲストハウスの宿泊をもう1泊延長して出発を明日に延期することにした。  また、この日から名古屋での配達に対してプロモーション(通常報酬に付与されるボーナス)が付与されるようになっていた。Uber Eatsのサポートによると、登録都市を東京から名古屋に変更してから約2週間後に付与されるということだった。その2週間を過ぎてもまったく付与される気配がないのでもうプロモーションのことは諦めていたのだが、なんという間の悪さだろう。  登録都市はすでに昨夜、名古屋から大阪に変更する申請をしていた。これで大阪での配達に対して今度こそプロモーションが付与されるようになるといいのだが……。  また、この申請に伴って僕のアカウントは停止されて配達できなくなっていた。登録都市の変更には審査が必要になり、これには約3日間を要する。そしてその間はアカウントが停止されるのだという(停止する意味がわからないが)。

猿の住処と化した佐和山遊園

 30日目。天気は晴れ。いよいよ彦根に向けて出発である。  名古屋からだいぶ離れ、沿道に延々と緑の広がるジャングルのような地帯を自転車で走っているときだった。アスファルトで舗装された道の先にポツリと1匹の動物の姿が見えた。猫かと思ったのだが、近づいてよく見てみると猿である。さらに近づいていくと、猿は森の中にサッと消えた。  そこからさらにしばらく進み、長いトンネルを抜けて彦根に到着した。そこでなんとも不思議な光景が目に飛び込んできた。山を背景にして金閣寺や五重の塔などを模した建物がひしめき合っていたのである。その敷地の入り口に置かれた石碑には「佐和山遊園」と記されていたが、一度も聞いたことのない名前だった。
佐和山遊園

「佐和山遊園」には猿の走りまわる音だけが響いていた

 自転車を止めて散策してみた。長いことまったく手入れされていないようでいたるところに雑草が生い茂っており、完全に廃墟の様相を呈している。  どこからかガタガタ、ガタン……となにか揺れるような音がずっと響いていた。その音の正体はまもなく判明した。敷地の高台に整然と並んだ金剛力士像の肩に猿が乗ってガタガタと揺らしていたのである。よく見渡してみると、この敷地内はまるで動物園の猿山のように猿だらけだった。それにしても、いかにレプリカとはいえ、金剛力士像がこんなにも脆く揺れるものなのだろうか……。
猿

怖いのでこれ以上は近づきたくない

 彦根で予約していた宿は「ゲストハウス無我」である。老朽化した古民家を利用して作られた、彦根で唯一のゲストハウスだ。
無我

「ゲストハウス無我」のオーナーのはじめさん

 ここのオーナーのはじめさんという方が非常に気さくで話しやすい方だったので、はじめて訪れるこの彦根でまるで自分の地元に帰ってきたかのようにくつろぐことができた。僕は旅をしながらYouTubeの撮影もしているのだが、その撮影にも快く協力してくれた。  また、気になっていた佐和山遊園のことについても教えてくてれた。ある実業家が個人で製作し、石田三成のテーマパークとしてオープンする予定だった。が、その後、資金繰りに行き詰まり、現在は廃墟になっているのだという。
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いまだ停止されたままのアカウント
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バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。

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