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結婚したらボーナスは「自分へのご褒美」ではなくなった…大企業社員のボヤキ

育児短時間制度利用中の悲しいボーナス事情

育児 大手企業で正社員として働く、小林小雪さん(仮名・30代)は育児のため育児短時間制度を活用している。営業職のため、制度を活用していない社員はフレックスで勤務しているが、社内としては、9:00~17:30が通常の勤務時間となっている。 「私としては、その時間であれば勤務可能だったのですが、30分単位で最高5時間まで短時間で設定できるため、9:00~17:00と、30分だけ短縮して、育児短時間制度を設定しました」  月々の基本給からは日々の30分のぶんが引かれるという。これに関しては何の異論もない小林さんだが……。ボーナスについてうかがうと……。 「ボーナスは、予め定められた基本給と、営業実績から計算される能力給とに分かれています。この能力給の設定が理不尽極まりないのです」  そう言って、怒りを露わにする小林さん。 「営業成績が良ければ100万円もらえると仮定します。育児短時間制度を活用している社員は、いくら営業成績が良くても100万円はもらえず、人によっては70万円、50万円、30万円になるのです」

フルタイムに対して「成果責任が低い」に怒り

 会社の制度として育児短時間制度を利用している社員は「フルタイムに対してアカウンタビリティ(成果責任)が低い」という前提のようで、小林さんは、この考えにとても悲しく悔しい気持ちでいっぱいだという。 「営業先のキャパシティやノルマの設定の大きさによって、自動的に能力給の設定が『あなたのアカウンタビリティは何%です』となるので、いくら営業成績を上げても、また、フルタイムの社員よりノルマが大きい場合でも、育児短時間制度を利用しているだけで、ボーナスがただただ減るのです」  アカウンタビリティ=成果責任という言葉に対して違和感しかないと感じている小林さん。70%枠に設定されている社員はごくわずかで、ラッキーなら50%、多くは30%だそうだ。 「短時間で効率よく仕事をしてボーナス半分って、悲し過ぎですよね」  小林さんは50%だったが、フルタイムと同じ仕事をしてボーナスが半分ということに納得がいかないと嘆いた。  今年はコロナ禍の影響で、もらえるだけでもラッキーと思うべきなのか。何を買うのか悩めるだけでも幸せなことなのかもしれない。<取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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