仕事

Uber Eats配達員、松山では年末年始でも一日6000円弱しか稼げない

フェリーで九州に上陸

フェリー

八幡浜発臼杵行きのフェリーに乗り込む

 午後6時頃にフェリー乗り場の窓口に行き、乗船手続きを済ませる。臼杵行きのフェリーは真っ暗な夜空を背景にして港に停泊し、その前部に開いた乗船口を煌々と光らせている。僕は自転車を押してそこに通じるボーディングブリッジを渡った。
フェリー

自転車といっしょに乗船した客は僕ひとりだった

 自転車を船倉に止めてエレベーターでラウンジに上がる。ガラス張りになっており、そこから外を眺望できるようになっていた。が、窓外は海と空の区別もなく夜の色一色に塗り潰されており、そこに小さな光がポツポツと灯るのみだった。  やがてその光がゆっくりと動きはじめたことでフェリーが出港したことを知る。それに続いて船内アナウンスが流れ、その後は静寂に包まれる。ラウンジ内には僕の他に若いカップルが1組いたが、なにも話さずにおとなしくソファに座っていた。  臼杵までの所要時間は約2時間半。僕はその間、その静かな空間にじっと身を置き、目の前の暗闇をただぼんやりと見つめていた。それがたまらなく贅沢な時間に思えた。ウーバーの配達で旅費を稼ぎながら旅しなければならないせいで、こういうのんびりとした時間はあまり持てていなかったのである。日々の気忙しさで硬くなっていた心も徐々に緩んでいくのを感じた。

ゴールの沖縄まであと少し

 臼杵港に到着した。自転車といっしょにフェリーから港に降り、コンクリートの地面をパンパンと強く踏みしめる。いよいよ九州。ゴールの沖縄まであともう少し……。  自転車に跨り、オレンジ色の外灯の照らす臼杵の街中を走った。臼杵はウーバーの配達エリアではないのだが、ここには2泊していくことにしていた。
小林ていじ

所持金3万円で東京を出発、「Uber Eats」の配達で旅費を稼ぎながら沖縄まで自転車で旅する筆者・小林ていじ

【90日目】 <支出> 食費:914円 <収入> 5981円 残金:2万8613円 【91日目】 <支出> 食費:1803円 洗濯乾燥:600円 合計:2403円 <収入> 5919円 残金:3万2129円 【92日目】 <支出> 食費:1977円 フェリー:3240円 宿泊費2泊分:7260円 合計:1万2477円 <収入> 0円 残金:1万9652円 <取材・文/小林ていじ>
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
1
2
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
ハッシュタグ