仕事

Uber Eats配達員を襲った大晦日の悲劇。カゴに入れてた蕎麦と餅が盗まれた!

 僕は普段、日雇い派遣などの仕事で稼ぎつつ、時間を見つけてはタイなどの東南アジアを中心に旅してきた。この状況では海外旅行には行けそうにないが、日本国内ならば比較的自由に動けるようになってきている。旅がしたい。でも、社会の底辺で生きる僕にはお金がない。そこで「Uber Eats」の配達で稼ぎながら国内を自転車で旅するという方法をとることにしたのである。

Go To停止で出費がかさむ

 旅に出て86日目、僕は松山にいた。この日は午前中に道後温泉に入って冷え切った体を温めてからウーバーの配達を開始。87日目は朝から晩まで配達した。Go To トラベルキャンペーンの一時停止などで出費がかさんでいたため、休まずに働き続けなければならなかった。
道後温泉

道後温泉で体の芯からポカポカに

「坊っちゃん列車」

夏目漱石の小説「坊っちゃん」に登場する「坊っちゃん列車」

 88日目は大晦日だった。が、この日も休まずに配達。日中パラパラと少し雪が降り、寒さが身にこたえた。ちょっとしたトラブルもあった。

大晦日の配達トラブル、住所変更で遥か遠方まで配達に

小林ていじ

所持金3万円で東京を出発、「Uber Eats」の配達で旅費を稼ぎながら沖縄まで自転車で旅する筆者・小林ていじ

 ダブルピック(店から2軒分の商品を預かること)の配達リクエストを受けたときのことである。韓国風フライドチキンの店で2軒分の商品を受け取り、1軒目の配達先に向かっていると、そのお客さんから電話がかかってきた。 「配達先の住所を変えてもらいたいんですけど、いいですか?」 「いいですよ。その住所をメッセージで送ってください」  住所を変えるといっても、番地の数字の入力を間違えていてそれを修正するくらいのことだろうと思っていた。が、その数分後にメッセージで送られてきた住所をGoogleマップに入力して場所を確認し、しばし呆然となってしまった。元の住所から10km近くも離れていたのである。  ウーバーの配送料は距離によって変わってくる。もしかしてこの客はそれを安く済ませるためにわざとあとから住所を変更してきたのではないかと疑いたくなってくる。それに配達員の報酬も距離によって変わってくるのだが、この場合はいったいどうなってしまうのだろう?  憤りを感じながらも、受けてしまった以上は配達するしかなかった。寒さに身を震わせ、白い息を吐きながら必死に自転車のペダルを漕ぎ、なんとか住所変更後の配達先に到着した。置き配(玄関先に置くだけの配達)だったのでその客の顔を見ることもなく、すぐに2件目の配達に向かう。  そして着いたときには店で商品を受け取ってから優に1時間は経っており、商品のフライドチキンも冷め切ってしまっていた。クレームになってもおかしくなかったが、それでもお客さんの女性に「この寒い中ありがとうございました!」と笑顔で言ってもらえたのは救いだった。  しかし、この日の災難はこれだけで終わらなかった。
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大晦日の悲劇は続く…
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